2012年 08月 26日
日本共産党谷津後援会の地域懇談会
冒頭で、入沢俊行・党習志野市委員長(衆院千葉2区予定候補)があいさつ。その後、私から住居表示問題の概要を報告し、参加者の皆さんと意見交換しました。
〔政治力で住居表示のルールをねじ曲げてよいのか?〕
区画整理組合の要望に沿って提案される議案の図面(区域・名称)を配布して説明しました。
これまでの新聞報道のように「谷津」と「奏の杜」の名称の対立であるかのような取り上げ方だと、他地域の市民に話をしても関心が高まらず、一地域の住民の対立であるかのようにとられてしまいます。一部ネット上では、そのような議論がされているようです。
ところが、地図で区域等を示し、既存住宅地の真ん中という地理感覚がわかる説明をすると、ほとんどの人が「おかしい」と反応がガラッと変わります。開発業者の都合で、わざわざ、わかりにくい住居表示に変更しようとする理不尽さが伝わりやすいのでしょう。
開発側の政治力で住居表示のルールをねじ曲げるやり方を認めてしまえば、市全域で同様のことが今後も起こりかねません。
〔解説〕飛び地のように取り残される「谷津7丁目」側(写真右側)。第一中学校(写真奥)は「奏の杜1丁目」で提案されています。
〔「株式会社フジタに都合の良いまちづくり」でよいのか?〕
「これまで強引な開発を放置してきたツケが、住民にまわってきた」「住民自治と民主主義が問われる」「市職員も不本意なのではないか」「地域分断は新旧住民双方に不幸」「歴史的地名を尊重すべき」「来年2月の変更はマンション業者の都合に合わせた日程」など、さまざまな意見が出ました。
今回のような早期の住居表示実施・変更は、市川市の妙典土地区画整理事業で株式会社フジタ(業務代行)がとった手法です。このほかにも、保留地先行処分などの新手法が持ち込まれています。
ところが、JR津田沼駅南口ではうまくいかないことが起こると、軌道修正するのではなく、保留地先行処分の失敗は強制執行、住居表示変更の失敗は議会工作で強行突破しようとします。
現在建設中の巨大マンションの北側の街区(写真右側)に、今度は869戸・24階の巨大マンションを建設する工事看板が設置されています。東側の街区(写真手前)には、大規模ショッピングセンターの建設が始まっています。
建築主はそれぞれ違いますが、設計・施工は3つとも株式会社フジタです。
〔住民自治、民主主義が問われている〕
名称がかっこよければ、住みよいまちになる訳ではありません。高いマンションを買い、高い町会費を払えば、住環境が保障される訳でもありません。過去の大規模開発の失敗点が形を変えて現れてくるかもしれません。
JR津田沼駅南口では、既存住宅地の真ん中に高層過密の街を建設しています。いかに補助金を引き出し、コストを引き下げ、大きなマンション等をつくり、高く売り出すかが最優先とされてきました。その総仕上げの一つが、マンションを売りやすくし、エリアマネージメントで利益を生み出し続けるための「地名」変更でしょう。
今回の事件は、単に住居表示の問題、名称が好きか嫌いかの問題ではなく、住民合意や法令解釈で無理が生じたことを、開発業者が力技で押し通すやり方に根本的な問題があります。民主的・平和的な問題解決よりも、開発側の都合を優先させました。
利益優先で不都合なことは力技で押し通すやり方を放置したら、開発業者は図に乗るばかり。理不尽な目、不自由な目にあってから考えるでは、手遅れになりかねません。
保育所や小学校のパンク、高層マンションのもたらす問題など、開発業者は解決してくれません。従来の住民も、新しい入居者も、自ら考え行動しなければ、住みよいまちにならないでしょう。