谷岡隆(たにおかたかし) 習志野市議会議員

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奏の杜・住居表示の請願-13名の議員が賛成(12月議会)

12月議会の最終日、総務常任委員会で可決された「奏の杜」の住居表示に関する請願は、本会議では賛成13名、反対15名、退席(棄権)1名の僅差で一転否決されました。

地域住民が納得できないまま、谷津1、6、7丁目の一部の町名変更、第一中学校の住所変更などの事務手続きが進められています。

ただ、今回の請願提出など粘り強い住民の働きかけにより、これまで住民説明会への出席を避けてきた宮本泰介市長が、「要請があれば自ら出席する」旨の答弁をしたのは一つの成果でした。
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私は、9月議会では総務常任委員会での質疑・討論だけとしましたが、12月議会では日本共産党を代表し、本会議での討論を行ないました。今回の討論では、住居表示法上の問題点とあわせ、開発業者・有力地主に左右される習志野市政への批判も盛り込みました。

これまでの経緯は、カテゴリ「住居表示」の各記事をご覧ください。
2012年6月議会における討論
JR津田沼駅南口開発への見解 など

〔12月議会における請願への賛成討論〕
請願・陳情受理番号第1305号「『奏の杜』の住居表示に関する請願」に賛成、議案第76号と第77号の条例改正2件に反対の討論をします。

請願者は、「住居表示変更の手続きにあたり、住民の理解と協力を得る努力をすること」とあわせ、「住民の理解と協力を得られない場合、住居表示変更に関連する事務手続きや条例改正を中止すること」を求めています。

今回の住居表示変更で影響を受ける地域住民の意思に反する議案を9月議会で提案した宮本泰介市長は、住民説明会に一度も出席しませんでした。市長自身が住民の理解と協力を得る努力を怠っているなか、第一中学校の住所変更や消防署の管轄区域の変更といった事務手続きや条例改正を強引に進めては、将来に禍根を残すことになります。慎重に対応することを求め、2件の議案に反対します。

さて、今回の住居表示変更の最大の問題は、「谷津」が良いか、「奏の杜」が良いかの「名称の好み」にある訳ではありません。住居表示法の目的とされる「合理的な住居表示」と言えるかどうかが問題なのです。

区域をきれいに整理し、新しい名称にした方が住居表示がわかりやすくなるのであれば、賛成できます。しかし今回のように、住居表示実施済みの住宅密集地の真ん中に、全国的に異例のゲリマンダーのような区域を新しく設定し、従来と全く異なる名称をつけるのは、住居表示を非合理的でわかりにくくするものです。

9月議会では「既存市街地と同一の町名とすることは不自然で違和感がある」という討論がありましたが、これは開発業者側に立った詭弁に過ぎません。1977年の住居表示実施の際と全く異なる複雑な区域ができてしまい、住宅が建ちならぶと迷路のような境界になってしまう箇所も生じます。バス通りなど幹線道路に沿った既存の境界を、入り組んだガタガタの境界に変更することこそ、不自然で違和感があります。

宮本泰介市長は、地域住民から「住居表示法第5条の2」に準じた手続きを求められても、やろうとしませんでした。総務省は「第5条の2の手続きをやっても構わない」という見解を示しています。

既存の住居表示と全く異なる区域・境界を設定するのは、もはや「変更」の域を超えており、区域の新設とも言えるほどのものです。それなのに、地域住民の意見を聞くために法的に可能な手段をとらないのは、市長の怠慢です。その手段をとれば、開発業者側に不利になることを見越した態度であり、地域住民への裏切りです。

開発業者や有力地権者が議会内の過半数の議員を抱き込めば、自分達に都合の良いように住居表示の区域や名称を変えられるという悪しき前例がまかり通ってしまっては、習志野市だけでなく全国的にも、住居表示法の運用に汚点を残すことになります。合理的でわかりやすい変更案に戻すことを強く要求します。

住民がほとんど住んでいない段階で住居表示を実施・変更するのも異例のやり方です。この手法を千葉県でやり始めたのは、市当局の資料でも明らかなように、株式会社フジタでした。市川市の妙典土地区画整理事業に続き、JR津田沼駅南口は2度目の事例となります。

今年の7月2日、JR津田沼駅南口土地区画整理区域内のマンション建設現場において、株式会社フジタの上田卓司社長は次のようにあいさつしました。
この津田沼の地におけるプロジェクトは、当社にとって重要なプロジェクトであり、二十数年前から携わっている。この街の「奏の杜」という名前は、区画の近隣の小学校が全国音楽コンクールで優秀な成績を収めているということで、音楽にちなんだ名称にした。

この株式会社フジタの社長の発言は、株式会社フジタがJR津田沼駅南口の市街化調整区域を開発し、自らの手でマンション建設を押し進める準備を20年以上前からちゃくちゃくと進めてきたことを白状するものです。その総仕上げの一つが、マンションを売りやすくするための名称変更と言えます。

開発業者の思惑をごまかすために、地権者が減歩をして大きな負担をしたのだから、区画整理組合の主張を認めてあげようという意見もありました。これは、増進率の計算などをみれば、破たんした主張であることは明らかです。また、住居表示法のどこにも地権者の権利は記載されていません。それなのに、そこに住んでいない地権者が出した陳情が押し通されてしまいました。

住居表示は、そこに住んでいる住民の利便性向上のために行なうものです。開発業者や有力地権者のために行なうものではありません。区域や名称に大幅な変更が必要であれば、影響を受ける周辺住民や、新しく入居する住民の意見を聴き、調整しながら、合理的な変更案を考えるべきです。

千葉県が示している「組合土地区画整理事業の実施手順」のように、「換地処分」までに、JR津田沼駅南口の場合、2014年までに決めればよいことです。市当局の資料によれば、船橋市坪井の区画整理では入居率84.4%の段階、船橋市馬込の宅地開発では入居率62.8%の段階で、地域住民の合意のうえで、住居表示を実施しています。

マンションの建設・販売に合わせようとする株式会社フジタや有力地権者など、開発側の都合を優先させるのは、間違っています。

住居表示を正常な形に引き戻すためにも、本請願に基づき、事務手続きや条例改正をいったん中止することを強く要求します。
by takashi_tanioka | 2012-12-22 14:00 | 住居表示 | Comments(0)

日本共産党市議としての活動日誌をメインに、日々の思い、家族のこと、研究活動などをご紹介します。


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