谷岡隆(たにおかたかし) 習志野市議会議員

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鶴ヶ島プロジェクト=ソーシャルデザイン・プロジェクトを考える

26日、「ゲンロンスクール・藤村龍至『建築2.0 建築からアーキテクチャへ』第2回(実践編) 超線形設計プロセス・教育・コラボレーション」へ行きました。

会場(品川区西五反田)のゲンロンカフェは初めて。場所を間違えてしまい、少し遅れての参加となりました。参加者は建築系の学生らしき人ばかりで、40歳代後半のおじさん(私)は場違いといった雰囲気でした。

習志野市の公共施設再生計画の研究のなかで「現在知」(NHKブックス)を読み、埼玉県鶴ヶ島市で鶴ヶ島プロジェクトに取り組む建築家の藤村龍至さん(設計事務所主宰、東洋大学講師)に関心を持ちました。郊外都市における「街のたたみ方」を掲げています。

この講座の案内には、次のように書かれています。

現在の日本は1970年代に集中的に行われた高度なインフラ整備により発展しましたが、それらが一斉に老朽化し、少子高齢化によって生産人口が縮小するなかで財政危機を迎えようとしています。

耐用年数を迎えたインフラは更新する必要に迫られますが、全てを更新する予算はありません。いずれ更新するインフラを選択する=都市をたたむ必要が生じ、新たな空間設計のコンセプトが必要になるでしょう。

そこで本講座では、1990年代の情報化とグローバル化は建築・都市・日本をどのように変え、変わろうとするのか、そしてそれらは今後の日本社会をいかに更新するのか、という現代日本の批評と予言を理論、実践、提言に分けて行いたいと思います。縮小する日本の将来像を、前向きに考えていきましょう。

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藤村さんのソーシャルデザイン・プロジェクトの実践例として「鶴ヶ島プロジェクト」と「大宮東口プロジェクト」が紹介されました。下記のHPが参考になりそうです。

鶴ヶ島プロジェクト 郊外都市の将来像を考える(鶴ヶ島市役所HP)

オープン・プロセスとソーシャルデザインの可能性 藤村龍至/建築家(シノドス)

c0236527_931471.jpgそこで行なわれている「パブリックミーティング」は、習志野市の「郵便局跡地活用ワークショップ」と似ている部分もありましたが、基本設計に至る手順がルール化されている点(超線形設計プロセス)が大きく違いました。

市民参加と費用圧縮を両立させるのは難しいようで、鶴ヶ島プロジェクトでは、基本設計による見積額が予算額の約240%まで達していました。見積ギャップの調整がたいへんそうです。

最後は、①財政危機=政治性が高まる、②公共施設の再編=空間設計が必要、③中学校区=意思決定の基礎単位に、とまとめられました。

この日の段階で、私は次の3点を疑問に思いました。(建築は素人なもので、用語が間違っていたらすみません。)

① 予算制約に加え、敷地面積の制約もある。鶴ヶ島市の事例(小学校と公民館の複合化)に比べ、習志野市の小学校の敷地面積は狭く、住宅密集地に位置する傾向にある。床面積を確保しつつ高層化するか、床面積の縮小率を引き上げるか、他の施設(プール、グラウンドなど)を縮小・廃止するか、制約が大きくなる。そうなると、パブリックミーティング参加者の自由な発想・提案が大きく制限されるのではないか。高層化は周辺住民の反発が大きいのではないか。

② 参加者の視点の違いをどう整理するのか。「市職員」と言っても、建築と財政、学校教育と社会教育、福祉関係など、視点が異なる。「市民」にしても、集会所機能を重視する市民もいれば、社会教育機能(公民館講座など)を重視する市民もいる。小学校への部外者の出入りに否定的な市民もいれば、子どもと高齢者・社会人の交流を重視する市民もいる。これらの多角的な意見をまとめ、検討するのは、高度な知識と技術を必要とする。

③ 敷地面積に余裕があれば、様々な意見を包含できる複合施設を建設しやすいかもしれない。しかし、床面積の縮小率を厳しく設定し、トイレや特別教室などを「共有」にする複合施設(習志野市の計画素案)は、(②の参加者全体が)合意可能な設計に仕上げるのが難しいのではないか。

郊外都市の人口縮小・高齢化など、まちの将来像を示しながら、市民参加で議論する手法は参考になりました。ただし、習志野市の場合、藤村さんが想定する「郊外」とは言えない地理的環境にあると思うので、人口縮小・高齢化、財政難の論理を単純に導入することはできないでしょう。

ここで藤村さんの考え方の是非は論じませんが、勉強になる話でした。講義と質疑は予定時間を大きく上回り、私が習志野市に戻ったのは夜中でした。またもや、寝不足で討論原稿の執筆です。
by takashi_tanioka | 2013-06-26 23:59 | 公共施設再生 | Comments(0)

日本共産党市議としての活動日誌をメインに、日々の思い、家族のこと、研究活動などをご紹介します。


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