谷岡隆(たにおかたかし) 習志野市議会議員

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草加市立谷塚小学校の視察-「共用」による学校複合化の難しさ

29日、公共施設調査特別委員会で、小学校と公民館・図書館等の複合施設化の事例を視察。委員11人と議長が参加しました。

視察先は、習志野市公共施設再生計画素案の説明会で先行事例とされている草加市立谷塚小学校。同じく先行事例とされている志木市立志木小学校にならい、公民館・図書館と「共用」の部屋を設ける手法で建設されました。
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前市長時代に策定された基本構想・基本計画のもとで建設されました。現市長になってからは、草加市公共施設設計方針が策定されています。

委員会視察では、小学校校長と公民館長の2人から説明してもらいました。学校教育と社会教育が連携することによって、児童・生徒と地域住民の交流、世代間交流が進められているようです。一方、共用化による課題もあり、視察した議員からは防犯関係の質問が多く出ました。

1.共用化したメリット・デメリット(視察資料より)
①メリット
・施設・機能・人材の共有化、有効利用が図れる。
・相互の特質を生かした交流事業の拡大が図れる。
・市財源の効率的運用が図れる。
※ただし、コスト削減効果は数値化されていない。

②デメリット
・共有施設の使用が制限される。
・学校、児童へのセキュリティ対応が難しい。
・施設全体の管理責任が不明確である。
※学校長、公民館長、学童保育=指定管理者の3者が存在。
・光熱水費、修繕改修等の負担区域が不明確である。

2.共有部分の導線の考え方(視察資料より)
①図書室
・生徒と一般利用者が混在する場合が発生することから、不審者への対応には十分注意を払う必要がある。
・小学校管理の図書と中央図書館管理の図書を混同しないよう管理を行なう。

②家庭科室
・生徒と一般利用者が混同しないよう、利用時間を限定して制限をしている。
・包丁等の刃物を取り扱うことから、不審者への対策には十分注意を払う必要がある。

谷塚小学校の反省点をふまえ、2つ目の複合施設として建設されたのが、草加市立高砂小学校です。小学校など各施設の間の「共用」はやめたそうです。高砂小学校の調査・研究も必要であると感じました。

視察終了後、私は草加市役所を訪問し、党市議団や市担当者の話を伺いました。以下、現地視察と市役所ヒアリングをもとに、感想を交えながら解説をします。

公民館(谷塚文化センター)のエントランスホール。正面入口は、小学校と分離されています。
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公民館サークルの掲示板。近くにあった公民館が統合されました。
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当日(平日)の利用団体。学習室、実習室、和室、会議室、ホールは公民館専用です。
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図書室・家庭科室(共用)は小学校側。屋内にもう一つの出入り口があります。
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図書室の受付など、シルバー人材センターに委託しているそうです。
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図書室は、私の通っていた小学校の図書室と同じくらいの広さに感じました。他の議員からも「図書館としては小さい」「図書館にふさわしい蔵書数なのか」といった感想が出ていました。
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小学校の専用席には、一般利用者は入れません。別に一般利用の児童スペースがあります。
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家庭科室は、小学校の授業が優先。公民館利用者は授業のない時間しか利用できず、利用率が低いそうです。
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調理台やガス台は、小学生と大人とでは高さが異なり、改善が必要になった経緯があります。写真は大人用の調理台です。
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小学生用の調理台です。
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小学校側の屋上庭園。広いのですが、一般利用者は自由に入れません。
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小学校の昇降口。木材を多用したホールのようになっています。これ自体は快適なのですが、施設面積を圧縮するために特別教室は共用としておきながら、昇降口は通常よりもかなり広く確保している点で、設計思想に矛盾を感じました。
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オープン型の普通教室。オープン型にすると文部科学省からの補助金が増えるそうです。
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壁のない普通教室と廊下。現在、人口増加で普通教室や学童保育がパンク状態ですが、敷地いっぱいに複合施設を建設したため、プレハブ校舎を増築する余裕がありません。対策を検討中だそうです。
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学童保育(児童クラブ)は指定管理者制度で、NPO法人が受託しています。
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当初は近くに建設予定だった民間プールを利用する予定でしたが、安全面で保護者・住民の反対運動が起こり、敷地内にプールを建設することになったそうです。

特別教室などを共用にした複合施設化は、かなり困難な課題を抱えているようです。私は複合施設を一律にマイナス評価するつもりはありませんが、慎重な検討が必要と強く感じました。
Commented by とある建築学生 at 2015-10-03 17:42 x
共有部分の導線→動線かと思います。
Commented by takashi_tanioka at 2015-10-12 08:25
「動線」のご指摘、ありがとうございます。この記事では、視察先の資料に「導線」と書かれているので、このままにしたいと思います。

インターネットで検索してみると、建築物(公共施設)の場合は「動線」が適切であり、デパート業界やコンビニ業界で「(客)導線」という使い方をするようですね。

草加市だけでなく、習志野市の公共施設再生や新庁舎建設の構想・計画の文書にも「動線」と「導線」が混在しています。なんとなく「導線」が正しいと、私は勘違いしてきました。

もしかしたら、習志野市の担当者も、建築系の職員と、その他の職員またはコンサルタントとで原稿の書き方が違うのではないかと思います。

ただ、一つの構想・計画の文書のなかで、「動線」と「導線」が混在しているのはおかしなことなので、機会があったら、市担当者にも指摘してみます。

私は、このほかの記事でも「導線」と書いてきたので、適切に修正していきます。ありがとうございました。
by takashi_tanioka | 2013-07-29 23:30 | 公共施設再生 | Comments(2)

日本共産党市議としての活動日誌をメインに、日々の思い、家族のこと、研究活動などをご紹介します。


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