谷岡隆(たにおかたかし) 習志野市議会議員

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習志野市基本構想案の反対討論=9月議会最終日

9月30日に定例議会が閉会し、やっと落ち着いてきました。9月議会は、10年半の議員生活のなかで、精神的に最も「つらい」議会でした。

これまでも、ボートピア習志野の建設・営業、住民投票条例の直接請求、第1期こども園計画、住居表示変更など、心身ともに大変な議会はありましたが、いずれも白黒はっきりしている問題でした。

ところが今回は、重要課題である次期基本構想案や公共施設再生計画について、白黒はっきりできないまま、議会が始まってしまい、悩みながらの1か月間でした。

特に大変だったのが、次期基本構想案の評価。「なぜ、現基本構想を1年前倒しで廃止し、新しい基本構想の策定を急ぐのか」について、市長・市当局の真意をつかめないでいました。

皆さんも読んでもらえればわかりますが、現基本構想は急いで廃止しなければならない内容とは思えません。

9月上旬の党市委員会で「反対」と態度を固めたものの、問題点の分析は遅れ、議案を審議する総務常任委員会、討論・採決をする議会最終日を迎えてしまい、締まらない討論になってしまいました。

議会最終日の討論で参考になったのが、木村静子議員による基本構想案の反対討論の前半部分。現基本構想の総括がないこととあわせ、企画政策部長の「文教住宅都市憲章」に関する議会答弁の問題点を追及する討論でした。

議会中継

市長による議案提案は、短く無難な文章にまとめられているので、現基本構想を1年前倒しで廃止する狙いはわかりにくいです。企画政策部長の議会答弁や、提案理由の説明(総務常任委員会)の方が、市当局の狙いを分析するうえでは役に立ちます。

現基本構想策定後の13年間の流れでみると、経営改革(行革)や公共施設再生などの実施計画、市単独の福祉・教育事業の廃止・縮小、独自規制(風俗営業等)の条例廃止といった現在の行政の方向性と、「文教住宅都市憲章」の理念との矛盾が深まりました。

その矛盾のうち、主に企画・財政部門の矛盾を「下支え」という考え方を導入することによって解消しようとするのが、新しい基本構想の策定を急いだ真意なのではないでしょうか。そして、新しい基本構想を議会の議決事項とすることで、「文教住宅都市憲章」と同レベルの権威づけをしました。

委員会審議や本会議討論を終えてみて、「文教住宅都市憲章に対する『習志野流の解釈改憲』が企画・財政部門主導で行なわれたのが、今回の基本構想策定である。」というのが、現段階での私なりの理解です。

討論で抜け落ちてしまったのが、日本共産党の分析と批判が大幅に遅れたことへの反省。「3つの目標」と「3つの重点プロジェクト」という組み立ては、基本構想案の全文が公表された今年2月にわかりましたが、これが意味すること(下支え論)を見抜けないでいました。

もう一つ抜け落ちてしまったのが、昨年実施された「次期基本構想・基本計画策定市民会議」「まちづくり提案会」「市民意識調査」の評価でした。

市民会議・まちづくり提案会・市民意識調査といった取り組みは、従来の基本構想策定時よりも多かったようです。問題は、市民の自由で多様な意見が基本構想案に活かされたかどうかです。そうでなければ、「市民参加」の企画を増やしたところで、ガス抜きにすぎなくなります。

公開されている会議録をみる限り、下支え論を盛り込んだ基本構想案が初めて公表されたのは、今年2月の長期計画審議会でした。基本構想案そのものの検討をしたのは、長期計画審議会と市議会だけでした。

市民会議・まちづくり提案会などに参加した市民は、このような全体構成・文章になるとは知らずに意見を出していました。そこで出された意見も、部分的には「3つの目標」に盛り込まれたのでしょうが、盛り込むかどうか、文章をどうするかは、市担当者のさじ加減です。

これについて、私は討論で、「『下支え』の中心として『経営改革大綱の策定』を基本構想に明記し、これに反しない範囲の施策を前半の『3つの目標』に多数羅列しています。」と表現しました。

下記アドレスから、現行の基本構想、次期基本構想に向けた市民会議やまちづくり提案会などの資料、長期計画審議会での審議(2013年2月~5月の会議録・資料等)を読むことができます。

習志野市基本構想(市役所HP)

習志野市長期計画審議会(市役所HP)

下記アドレスから、近隣市の基本構想を読むことができます。比較してみると、「経営改革大綱」「公共施設再生計画」という企画・財政部門の計画ばかりが特記・膨張させられた習志野市の次期基本構想の特徴がわかりやすくなります。

千葉市の基本構想(千葉市HP)

船橋市の基本構想(船橋市HP)

八千代市の基本構想(八千代市HP)

今後は、来週から始まる決算委員会の準備です。あわせて、10月13日に平和・民主・革新の日本をめざす習志野市の会(習志野革新懇)のシンポジウム「習志野市を安全で住みよいまちに-『公共施設再生計画』を考える」(午後3時30分、菊田公民館)にパネリストとして要請されているため、その準備もあります。

習志野市の公共施設再生計画やまちづくりについて、いま、私が参考にしているのが、中山徹さん(奈良女子大学)の著書「人口減少時代のまちづくり-21世紀=縮小型都市計画のすすめ」(自治体研究社)と、論文「これからの公共事業予算」(「前衛」2013年7月号)です。

文教住宅都市憲章が活きる習志野市政、まちづくりはどうあるべきか? またしばらく、悩む日々が続きそうです。
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〔次期基本構想案への反対討論(一部修正)〕

議案第57号「習志野市基本構想の策定」について、日本共産党を代表して反対の討論をします。

習志野市が文教住宅都市憲章以外の基本構想を策定するのは、今回が3回目となります。今回提案されている基本構想案には、前回の基本構想、そして現行の基本構想にはない特徴があります。

最も大きな特徴は、「下支え」という考え方を基本構想に定式化しようとしている点にあります。そして、その「下支え」の中心として「経営改革大綱の策定」を基本構想に明記し、これに反しない範囲の施策を前半の「3つの目標」に多数羅列しています。

基本構想案で特別の位置づけとなっているのが「経営改革大綱」です。実施計画の具体的な名称が基本構想に明記されるのは、初めてです。基本構想案では「魅力的かつ最適な行政サービスを持続的・安定的に提供」と記述していますが、福祉・教育の施策をどのように取捨選択していくのか、市長が選択した施策が「文教住宅都市憲章」に合致しているかどうかの判断は、基本構想案で特権的な地位を与えられた「経営改革大綱」の方向性にゆだねられることになります。

「下支え」という考え方が、公の場で初めて行政側から示されたのが、ボートピア習志野の市長同意(2009年)をめぐる議会答弁においてでした。「市長の施策(ボートピア建設への同意)は文教住宅都市憲章に反する」と指摘しても、文教住宅都市憲章の「下支え」のためには必要という言葉で正当化されてきました。

何をもって、ある施策を「下支え」のために必要とするかは、「経営改革大綱」の内容、そして市長の判断に丸投げされるのが、今回の基本構想案の特徴です。「下支え」という言葉を使えば、何でもできてしまう恐れがあります。

基本構想案に「文教住宅都市憲章」という文字は書かれていますが、このままではワイマール憲法のような末路を歩んでしまいます。

この下支え論にもとづく次期基本構想案には、現行の基本構想の実施期間中に押し進められたJR津田沼駅南口開発によるまちづくりの失敗、保育所・小中学校のパンクの反省、ギャンブル場の建設、保育所・幼稚園の統廃合、福祉・教育事業の縮小と現場職員削減による歪み、また、「市民参画」と言いながら住民投票条例の直接請求を踏みにじったことなどへの反省も総括もありません。

それどころか、現在進行形の問題で言えば、市有地である仲よし幼稚園跡地を超高層マンション建設のために売却するという、谷津・奏の杜の住民生活や教育環境の困難を無視した施策が、基本構想案では「財政健全化」という下支え論によって正当化されてしまいかねません。「下支え」のために市有地を高く売ること自体が目的化してしまい、基本構想案の冒頭に書かれている「住民福祉の向上」が形骸化していきます。

基本構想案の検討過程で、前半部分に「まちの魅力を向上させ、人を呼び込み、住み続けたいまちとすることにより、人口の減少を抑え、増加を図る必要があります。」という一文が盛り込まれました。ところが、下支え論が書かれている後半部分の「自立的都市経営の推進」では、それに見合った加筆修正はされませんでした。それどころか、大規模開発への巨額の財政投入や債務増大への反省なく、市民へは引き締めを意味する文字を連発しています。

また、基本構想案では「公共施設再生計画」も下支えのための実施計画として特別の位置づけをされていますが、資産管理の側面に偏った計画であり、人口減少の予測を上回る教育施設等の大幅削減を計画しています。基本構想案に加筆されたように、「まちの魅力を向上させ、・・・ 住み続けたいまちとする」のであれば、地域コミュニティをどう発展させるのかも、基本構想案で論じるべきですが、そのような記述はまったくありません。

「公共施設再生計画・データ編」にコミュニティの記述がありますが、従来の14小学校区と7中学校区を基本とするコミュニティの設定を変更し、「5つの日常生活圏」という新しい区分を持ち込んでいます。これは、基本構想案ではまったく触れられていません。

住民福祉のソフト面とハード面の両方の施策展開に大きな影響を与える地域コミュニティのあり方が、下支えの実施計画に丸投げです。しかも、その実施計画(公共施設再生計画)では、教育や福祉のあり方は論じられていません。

これでは、各地域の住民の生活実態や歴史、伝統などが無視され、宮本泰介市長と一部の行政職員に都合の良いように「コミュニティ区分」が机上でつくられてしまいます。

現行の基本構想を廃止し、次期基本構想を1年前倒しで策定する理由は、6月議会の審議でも、9月議会の審議でも、はっきりしませんでした。

結局は、「自立的都市経営の推進」という下支え論にもとづく「経営改革大綱」の策定に合わせて基本構想を策定し、「経営改革大綱」や、その主な柱である「公共施設再生計画」などに特権的な地位を与えるための前倒しであり、それ以上の理由は見つけられません。

もう一つの大きな特徴が、現政権による国の施策が、基本構想の前段の「序論」に列記されていることです。これも、前回の基本構想や現行の基本構想にみられなかったことです。自民党政権下で推進され、批判的な意見も強い「子ども子育て支援新制度」や「高齢社会対策大綱」を無批判に受け入れるだけでなく、「重要」と持ち上げています。

これらも含め、現政権による国の施策は、国民の間で評価が分かれています。日本共産党は、基本構想の「序論」にこのように記載するのは問題があると指摘し、従来の基本構想にならって書き直すことを求めてきました。前回の基本構想にも、現行の基本構想にも、策定当時の国の施策を「重要」と評価して記載している部分はまったくありません。

これらの記載は、習志野市の行政の長期ビジョンを国の現政権の施策の枠内で策定するよう縛りをかけるようなものです。このようなやり方は、国の悪政言いなりの宮本泰介市長の政治姿勢を示しています。

日本共産党は、地方自治体が独自に市民参加で基本構想をつくることには反対しません。しかし、今回の基本構想案は、文教住宅都市憲章を形骸化する大きな危険な側面を抱えていると同時に、市民参加も十分とは言えません。

したがって、今回提案されている次期基本構想案に反対するとともに、現行の基本構想の実施期間が終了する1年半後をめどに、多くの市民にわかりやすく、多くの市民が参加できるような形で、幅広い市民が賛同できる基本構想を目ざして、慎重に練り直すことを求めます。
by takashi_tanioka | 2013-10-02 23:30 | 議員活動 | Comments(0)

日本共産党市議としての活動日誌をメインに、日々の思い、家族のこと、研究活動などをご紹介します。


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