谷岡隆(たにおかたかし) 習志野市議会議員

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「財政の機能」についての質問、その2-忘れていたこと

c0236527_917315.jpg27日~28日は、一般質問の原稿書きを中心にしながら、生活相談、地元の党支部総会、子ども達の世話などでした。

24日のブログで、財政の機能に対する基本的な考え方について一般質問をすること、議員1期目のときは荒木前市長に同様の一般質問をしたことを書きました。

「財政の機能」についての質問-3月議会の準備(2月24日)

そのとき、「(議員1期目のときは)市長側から示された答弁案が、財政学のテキスト丸写し+αのような内容だったので『こんな内容なら、質問時間がもったいないから、答弁はいらない』と断った」と書きました。

ところが後日、財政部職員から「市長答弁がありましたよ」との指摘を受けました。

上記の出来事から9か月後の一般質問。当時の財務省や総務省などの見解をもとに、財政理論の基礎的な部分を加えた市長答弁でした。

お恥ずかしい話ですが、10年前の一般質問ともなると、記憶があやふやになっています。いつもながら私の質問は長いのですが、このときの荒木前市長の答弁も長かったです。

懐かしい答弁です。習志野市財政に関する荒木前市長の基本姿勢は、答弁の最後の段落に集約されています。

「将来のまちづくりの設計図を念頭に、必要な都市基盤整備には果敢に先行投資を行っていく(=JR津田沼駅南口開発を重視)」で締めくくるところに、いま読み直してみると、正直な人だなと感じます。(賛否は別ですが・・・。)

いまも小泉元首相が持ち上げられる場面が時々あります。しかし、当時の会議録を読み直してみると、「小泉も安倍も同じようなものだな」と思います。今回も、当時の質問をブログに掲載してみます。

習志野市議会会議録(平成18年9月11日)

〔22番 谷岡隆君 登壇〕
日本共産党を代表して、一般質問を行います。

5年間にわたる小泉自民党・公明党政権が終わりを迎えようとしています。当初、少なくない国民が、小泉首相によって旧来の自民党政治が是正されるのではないかと期待しました。ところが、裏腹に小泉政権は世界の他の資本主義国に類例のない自民党政治の3つの異常な特質をさらに深めるという結果をもたらしました。

その第1が、過去の侵略戦争を正当化する異常です。侵略戦争を正当化する靖国神社参拝に固執した結果、日本外交に深刻な行き詰まりを生み出しました。

第2の異常は、アメリカ言いなりの政治です。日米軍事同盟の侵略的偏執、米軍再編と基地強化、そして海外で戦争できる国づくりのための憲法改悪の押しつけであります。さらに、経済金融問題でもしっぽを振ってアメリカの対日要求につき従っています。

そして、第3の異常は大企業中心の政治です。ルールなき資本主義と新自由主義の害悪が国民経済や地域経済をむしばみ、貧困と社会的格差の拡大をもたらしました。

私の第1の質問は、行財政改革についてであり、その1点目として、貧困と社会的格差の拡大の中、財政の果たすべき役割は何かという問題を質問します。

貧困と社会的格差の拡大に対し、小泉首相は、格差は悪いことではないと開き直りつつ、これは改革の途上に生まれた問題であって、景気が回復していけば、いずれ格差問題は解決すると言っています。しかし、今起こっていることは財界、大企業が3期連続で至上最高の利益を上げるなど、バブル期を上回る空前の富を得ながら、他方で大多数の国民の所得が減少し、貧困と格差が深刻な形で広がるという事態です。

この間、日本は相対的貧困層の割合がOECD加盟国の中でアメリカに次いで2番目に高い国となりました。7月20日にOECDが発表した対日経済審査報告書では、日本の所得格差の拡大が経済成長に与える悪影響に懸念を示しています。

私たち日本共産党は、その根底には構造改革の名で行われてきた政治の害悪があると追及してきました。日本経団連の要求による労働法政改悪や規制緩和万能論により、低賃金、無権利の非正規雇用労働者が急増し、サービス残業や成果主義賃金などによる賃金引き下げが深刻化しました。これが第一に国民の所得減少へとつながっています。

財政面では、低所得者や社会的弱者が社会保障制度から排除されるという事態が広範に起こっています。全国的に見て国民健康保険料の滞納に伴う保険証取り上げと資格証明書への書きかえ、高い年金保険料を払えず、制度から除外されつつある人が1000万人に上る事態、餓死者まで出した生活保護の抑制、障害者福祉でも介護保険でも、施設を利用できないという事態が進んでいます。

また、庶民に大増税、大企業や高額所得者に減税という逆立ちした税制によって、財政制度が格差を拡大するという事態が引き起こされています。サラリーマン増税に続き、高齢者の増税と負担増が強行されました。特に高齢者については税負担が数倍から10数倍になり、それに連動して、国民健康保険料や介護保険料などが雪だるま式に膨れ上がるという事態が起こっています。これは高齢者が耐えられる限度をはるかに超えた、まさに生存権を脅かす負担増です。

このような中、所得の再配分、福祉や教育など公共財、公共サービスの供給など財政が本来果たすべき民主的役割を再確認し、実践することが求められています。市長の政治姿勢を伺います。

(中略)

〔市長 荒木勇君 登壇〕
最初の行革、貧困と社会的格差拡大について、こういうような趣旨で、格差の拡大の所得の再配分、公共財供給など財政の果たすべき役割をどう考えているかと、こういう御質問だったと思います。

では、順を追って答弁申し上げたいと思います。

まず初めは、行財政改革についてでございます。貧困と社会的格差の問題は、国会での議論などにより、新聞紙上で多く取り上げられるようになってまいりました。最近では、「下流社会」という本がベストセラーになったり、所得格差の実態と原因を実証分析した「日本の不平等」という本が話題になるなど、一般市民にも格差社会という言葉が定着してきたようであります。

また、7月に公表されました2006年度版の経済財政白書においても、家計から見た経済的格差として、「所得格差は統計上は全体として穏やかに拡大」、「最近は、若年層において所得格差や労働所得格差が拡大」との表現が見られるように、国においても、問題点として認識しているようでございます。

この格差問題につきましてはいろいろな議論がなされておりますが、この問題に対しまして、私が一番懸念しておりますことは、この格差ということを理由にして、現在、戦後60年を経過する中で、さまざまなひずみが見えてきた社会経済構造を変革し、新しい公正で効率的な社会を実現していこうという、大きな構造改革の流れをとめてしまうことであると考えています。

格差の拡大を見過ごすことはできないとは思いますが、過度に格差拡大を批判することは、これまでの構造改革の努力の中で転換を進めてきた既得権益の擁護につながり、民間活力の再生を妨げることにつながっていきます。そしてまた、余りに結果の平等を求めるなら、これまで努力して築いてきた簡素で効率的な政府を、再び大きな政府に後戻りさせてしまいかねません。

私は、社会的な弱者に対しましては十分なセーフティーネットを確保しつつ、あくまでも努力した人たちが報われる、そして失敗しても再び挑戦できる活力あふれる社会にしていかなくてはならないと考えているところでございます。

さて、御質問は、このような格差が拡大している中で財政の果たすべき役割をどう考え、どう実践していくのかというお尋ねでございます。

一般的に、財政の役割、機能は3つあると言われております。

1つは、資源配分の調整であります。資本主義経済においては、基本的には市場メカニズムを通じて人、物、金といった資源について最適な配分がなされていくとされていますが、いわゆる公共財や準公共財などについては、市場メカニズムの中ではうまく供給されず、政府がかわって供給しなければならないとされております。この公共財等の供給量を社会的に最適化していく機能が1つであります。

2つ目は、所得の再配分であります。市場メカニズムにより効率的な資源配分が達成できたといたしましても、同時になされる所得の分配は必ずしも公正であるとは限りません。この分配を広く社会に受け入れられている公正の観点から是正していくこと、すなわち所得の再配分機能であります。ただし、望ましい所得分配のあり方は、個々人の価値判断によってさまざまであることから、どのような所得分配が公正であるかを判断することは大変に難しい問題であると考えております。

3つ目は、経済の安定化であります。資本主義経済は不安定な経済変動を繰り返し、その過程でインフレや失業率の上昇などの現象を引き起しますが、これらの変動を財政施策により安定化させる機能があります。しかし、現在の社会状況の中では個人の利便性が社会的便益より優先され、財政支出の増加や減税を伴う政策は支持されやすいのに対して、財政支出の削減や増税を伴う政策は支持を集めにくく、一たび裁量的な財政運営が行われると、財政赤字の慢性化や政府の膨張によって、かえって経済の活力を失っていく懸念も大きいと考えられております。

若干抽象的なお答えになってしまいましたが、財政の果たすべき役割につきましては、以上のように認識しているところでございます。

このような財政の役割を踏まえた上で、本市の財政運営をどのようにして実践していこうとしているのかについてでございますが、これまでの議会でも何度も申し上げてまいりましたが、本市が地方分権の進展や市町村合併の推進等の大きな流れの中で、厳しさが予想される都市間競争の中で生き残り、市民の皆さんに満足していただけるサービスを提供し続けながら、自主自立した住みよい町として、将来にわたり持続可能な財政運営ができるように常に改革・見直しに取り組みつつ、社会的な弱者の皆様には適切な配慮を行いながら、健全な財政構造の実現に向け努力し、かつまた、将来のまちづくりの設計図を念頭に、必要な都市基盤整備には果敢に先行投資を行っていく、このような財政運営を行ってまいりたいと考えているところであります。

※このときは「所得の再配分」としましたが、「再分配(redistribution)」の方が正しい日本語訳と考えています。
by takashi_tanioka | 2016-02-28 23:30 | 議員活動 | Comments(0)

日本共産党市議としての活動日誌をメインに、日々の思い、家族のこと、研究活動などをご紹介します。


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