谷岡隆(たにおかたかし) 習志野市議会議員

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習志野市職員の試用期間後の解雇(分限免職)を考える

6月議会へ向け、習志野市政の様々な課題について調査・検討を進めています。その一つが、4月から新聞各紙で報道されている習志野市職員の解雇問題です。

日本の民間企業には、採用当初に「試用期間」を設定するケースが多くあります。国や地方自治体でも「条件附採用」として設定されています。地方公務員法22条では、その期間が6か月(1年まで延長可)とされています。

この試用期間の終了時に解雇となり、裁判で争われるケースも多くあります。公務員の場合、普通解雇・整理解雇は「分限免職」(地方公務員法28条)と呼ばれます。

試用期間とはいえ、雇用契約は成立しています。民間労働者であっても、公務労働者であっても、安易な解雇は許されません。

過去の裁判例をみると、試用期間であっても、それ相応の理由がなければ解雇は正当化できません。「能力不足」という単純な理由だけでは、「解雇権の濫用(乱用)」となります。公務員の場合、「裁量権の濫用」という呼び方になります。

民間企業について裁判例が多くあります。「解雇のルール」についてまとめたものとして、下記のもの(リンク)があります。

〔一般的なルール〕
パンフレット「しっかりマスター労働基準法-解雇編」(東京労働局HP)

〔地方自治体の例〕
労働基準法の手引(神戸市人事委員会HP)
※労働契約法の施行前の記述になっているようです。

〔人事院の通知〕
分限処分に当たっての留意点等について(人事院HP)

地方公務員の試用期間の終了時の解雇の是非が争われた裁判例として、下記のもの(リンク)があります。最高裁判所でも原告勝訴(解雇無効)となっています。

教員解雇取り消し、「指導力不足」認めず-分限免職に歯止め(しんぶん赤旗HP)

過去の裁判例の積み重ねをもとに、2004年改定の労働基準法に「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」が加えられました。

この条文は、その後、労働契約法に書き込まれることになりました。地方公務員は労働契約法の適用外とはいえ、裁判例から考えると、解雇について「客観的合理的理由」と「社会的相当性」は当然要求されるでしょう。

そして、これらが満たされない場合は「無効」、すなわち「解雇としての効力が生じない」でしょうし、試用期間(条件附採用)であっても同様と、私は考えます。

人事院の通知をみても、「勤務実績不良及び適格性欠如」の場合、解雇(分限免職)に至るまでに段階を踏んだ対応がなされ、改善の機会が与えられたかという、民間企業における裁判例と同様の対応が求められているように思います。

今回の習志野市職員のケースでは、総務部の説明を聴く限り、6か月の試用期間中に配置換えをして評価することをしていませんし、就業規則違反の指摘もなく、戒告等に至るようなトラブルも指摘されていません。客観的な資料の作成・収集もされているのか不明です。これで解雇が「有効」と言えるか、私は疑問に思っています。

労働基準法等と地方公務員法との間には解釈に違いがあるかも知れません。私は法律の専門家ではないので、労働法などの専門家に相談しながら慎重に判断しなければならないと考えています。

今回のケースは、当事者の問題であるだけでなく、他の労働者(市職員)の権利を守るうえでも「悪しき前例」となりかねません。

「解雇権の濫用(裁量権の濫用)」にあたるものであれば、市長に対応の是正を求めなければならないでしょう。

条件付き採用期間(試用期間)後の解雇-習志野市の人事問題(4月15日)

東京労働局のパンフレット(「解雇のルールと手続き」が簡単にまとめられています)
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by takashi_tanioka | 2016-05-10 23:30 | 議員活動 | Comments(0)

日本共産党市議としての活動日誌をメインに、日々の思い、家族のこと、研究活動などをご紹介します。


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