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官製ワーキングプアは「デメリット」ではないの?-保育所の給食調理業務委託

30日午前、谷津南保育所で給食調理業務委託の説明会がありました。保護者として参加しました。
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所長先生のあいさつの後、こども保育課長と担当主査が説明しました。その後、質疑応答と続きました。

市立保育所・こども園では、給食調理業務の民間委託は、東習志野こども園、秋津保育所、大久保保育所、菊田保育所、杉の子こども園、袖ケ浦こども園の順で進んできました。今度は、谷津南保育所です。
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民間委託を導入するための説明会ですから、当然のことながら、行政側は「デメリットはありません」と説明します。本当にそうなのかが問われます。

保護者からは「民間委託に賛成・歓迎」という質問・要望はありませんでした。導入に懐疑的な質問のほかは、「導入されるなら、○○に配慮して欲しい」という要望が主でした。

行政側がメリットとして「調理員が欠勤したとき、保育士が補助で入る必要がなくなる」という説明をしました。これに対し、私は「そもそも人減らしにより、ギリギリの人数で調理しているから、欠勤時に保育士が入らざるを得なくなる」と、現在の人員配置の不備を指摘しました。

私は、①栄養士が調理員に直接指示ができない問題、②委託会社の調理員の勤務体制、③委託会社の選び方(競争入札なのか)などについて質問しました。
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先日、学校給食の調理業務の民間委託(他の自治体)で働いていた人の生活相談を受けました。その委託会社は飲食業を営んでおり、給食調理業務の前後の時間は、他の現場(飲食店)で働かされていました。長時間過重労働のため、職場の同僚達が体を壊し、やめていったそうです。

今回の説明会で質問したところ、「保育所の給食調理業務の場合、朝のおやつの調理から始まり、昼の給食、午睡後のおやつの調理まで仕事が続くため、調理員が他の現場にまわされることは、あまり考えられない」との説明でした。

行政側が掲げるメリットの一つとして、「民間の知識・技術を活かし、調理員の柔軟な勤務時間などによる業務の効率化が図れること」が書かれています。

市直営と民間委託とで調理時間や工程等に違いが無いのであれば、「業務の効率化」でコストダウンを図るのは難しいでしょう。結局は、調理員の低賃金労働によるコストダウンということになるでしょう。

公務員の非正規化(臨採、パートなど)、民間委託による低賃金化により、「官製ワーキングプア」の増大が社会問題となっています。

デメリットとして、「官製ワーキングプアの発生」「不安定雇用の拡大」「調理員の離職率の上昇」を書き込んでおく必要があると思いました。

今のところ、先行して民間委託された保育所・こども園では、子ども達に被害が生じるような事故等は起こっていないようです。

しかし、調理員さんが低賃金・不安定雇用に置き換えられて良いのかという問題意識は、保護者側ももつべきではないかと思いました。今後、現状を詳しく調査していきたいです。

by takashi_tanioka | 2017-09-30 23:30 | 子育て・家族 | Comments(0)

日本共産党市議としての活動日誌をメインに、日々の思い、家族のこと、研究活動などをご紹介します。


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