盛り沢山の説明でしたが、軍事研究と武器輸出を巡る政官財学が結びついた動きが細かく報告されました。私にとってはわかりやすい話でした。
習志野市では、千葉工業大学が安全保障技術研究推進制度(防衛省が軍事技術へ応用できる基礎研究に研究費を支給する制度)に応募しました。他の理系大学も含め、研究費目当てに軍事研究へ進むことが懸念されます。
講演を聴いて、ふと気づいたのが、日本学術会議で軍事研究を容認する発言をしている大西隆会長が、別の場面でも政財官学の結びつきに関わっていることでした。
大西隆氏の専門は都市工学。塩川正十郎・根本祐二グループが主導する東洋大学大学院経済学研究科公民連携専攻の初期スタッフ(非常勤講師)の一人として「都市計画総論」の講義を担当していました。
この専攻科は、新自由主義的な構造改革路線を推進するために、故・塩川総長(小泉政権の財務大臣、国民政治協会会長)が創設しました。大手不動産・建設業界や国土交通省などが求める「PPP/PFI」「公的不動産活用」などの研究者・行政職員・民間コンサルタントを養成しています。
大西隆氏と根本祐二氏は、他の研究機関でも、日本地域開発センターの月刊「地域開発」の編集長と編集委員のような結びつきがありました。→
参考
利権まみれの大規模開発・都市再開発の推進をきれいな言葉で飾り、大手不動産・建設業界のために理論武装をする研究にみえる場面もあります。
不動産活用、民間活力、規制緩和など、軍事研究と分野は違えど、財界・大企業から応援される研究を推進する点で共通しています。
財界・大企業の利潤追求に役立ちそうな研究を美化し、武器輸出や都市再開発などに貢献する御用学者たちには、学問研究の場から退場してもらいたいです。