谷岡隆(たにおかたかし) 習志野市議会議員

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カテゴリ:社会科学研究( 33 )

c0236527_14203335.jpg15日、ユーラシア研究所第29回総合シンポジウム「さまざまな<ロシア革命>-100年後のいま、ふり返る」に参加しました。

私はユーラシア研究所(旧ソビエト研究所)の会員ではなく、シンポジウム参加は10年ぶりです。比較経済体制学会からの案内(メーリングリスト)で企画を知りました。

研究所長の小森田秋夫さん(神奈川大学)が企画趣旨を説明。その後、3人の研究者から報告があり、塩川伸明さん(元東京大学)がコメントをし、参加者で討論するという流れでした。

報告者のテーマは、池田嘉郎さん(東京大学)が「ロシア革命研究の最先端:各国の歴史家はどう見ているのか」、斎藤治子さん(元帝京大学)が「女性とロシア革命」、麻田雅文さん(岩手大学)が「ロシア革命100周年、シベリア出兵99周年に思う」でした。

私は家庭の都合で、斎藤さんの報告後に退席。麻田さんの報告、塩川さんのコメント、討論を聴くことができませんでした。岩田昌征先生も来ていたので、討論までいられなかったのは残念でした。
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短時間だけでも参加したのは、池田嘉郎さんの報告が目当てでした。岩波新書「ロシア革命-破局の8か月」を読み、極めて強い違和感を覚えたので、直接話を聴きたいと考えていました。

シンポジウムの予習として、岩波書店から今年6月に発売された「ロシア革命とソ連の世紀 第1巻・世界戦争から革命へ」(全5巻)を読んで参加しました。

完読する余裕がなかったので、池田執筆の「総説.ロシア革命とは何だったのか」、A.ニコラ―エフ執筆(池田訳)の「4.二月革命-帝政エリートの反乱」、B.ブルダコーフ執筆(池田他訳)の「5.赤い動乱-十月革命とは何だったのか」、池田執筆の「6.ボリシェヴィキ政権の制度と言説」を優先して読みました。

しかし、シンポジウムの報告は、ロシアにおいて「ロシア革命100年」を機に取り組まれている調査・研究の紹介が中心のあっさりしたものでした。

レジュメでは、第1巻「世界戦争から革命へ」の論文が紹介されていましたが、新書については記載がありませんでした。論争を避けているという印象を受けました。できれば討論でのやりとりも聴きたかったです。

「総論」におけるロシア革命研究の過去から現在までの整理は参考になりますし、池田さんの見解(26~28ページ)も興味深いものがあります。

革命(フランス革命からロシア革命への流れ)を「進歩」と捉えるのではなく、「フランス革命もロシア革命も、人類史の普遍的な歩みという語りから解き放たれて、それぞれの地域の歴史の文脈へと戻っていく」(22ページ)とする部分も、きちんと検討していかなければならないと思います。

従来の「革命の系譜学」と対峙する歴史観が根底にあり、そこから「革命は、進歩ではなく、システムの崩壊」「ロシア革命は、正確には帝政崩壊」という主旨のシンポジウムでの発言、第1巻「世界戦争から革命へ」での記述へつながっていく訳です。

第1巻における池田さんなどの著作は、ロシア・ソ連史研究のテキストの一つとして重視して読んでいく必要があると感じました。

しかし、その一方で、学術書として禁欲的に書かれている第1巻の論文と比べ、池田さんの政治的な嗜好が露骨にあらわれる岩波新書の非学問的な叙述には大きな問題があると、私は現在も考えています。

岩波新書の方は、章・節によって論調が変化したり、印象操作を感じさせる記述が少なくなかったりです。私は、以前は「感情的」と書きましたが、第1巻の読了後の今は、一定の政治的な意図をもって書いているのではないかという感想をもっています。

また、この新書を「手頃な入門書」とヨイショする書評があるのも考え物です。それについては、またあらためて論じたいと思います。

by takashi_tanioka | 2017-07-15 23:30 | 社会科学研究 | Comments(0)
c0236527_21135510.jpg25日午後、社会主義理論学会第74回研究会に参加しました。統一テーマはなく、2名の研究者から報告がありました。

鎌倉孝夫さん(埼玉大学名誉教授)が「朝鮮脅威論を糺す-朝鮮民主主義人民共和国がめざすのは」のテーマで報告。鎌倉さんは、マルクス経済学(宇野学派)の研究者ですが、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の研究もしています。「トランプ・安倍政権で進む戦争の危機」の副題での報告でした。

異常に煽られる朝鮮脅威論の問題と、トランプ・安倍政権の軍事的圧力の問題などは理解できます。その背景にある「階級対立の隠蔽=本来の”敵”を見えなくさせる」「自国労働者内対立をあおる いじめ構造」「外国人労働者が労働者の敵」「社会排外主義-朝鮮人敵視」という構図のもと、「朝鮮脅威論は、経済的に国民統合の矛盾が露呈してきた中での国民統合策、戦争への国民動員策」という指摘も基本的に正しいと考えます。

しかし、北朝鮮の現政権を賛美しすぎていると思えたので、①被団協・原水協・原水禁など反核平和運動では「自衛のための核兵器保有」という論理を認めていない、②最高権力者の世襲をどうみるか=社会主義とは言えない、③スターリン時代のソ連でも「民主主義」「平和」などの文言は多用されており、北朝鮮政府や労働党のきれいな言葉を評価できるのか、の3点を質問しました。

私のほかにも、現在の北朝鮮政府は「戦前の天皇制国家のようだ」「アジア的専制ではないか」との質問が出ましたが、鎌倉さんの回答は現政権に肯定的なものでした。

「北朝鮮悪玉論」「悪の帝国」のようなアメリカ側を正当化するような描き方は誤っていますが、逆に北朝鮮政府を美化するような論じ方にも疑問をもちました。

境毅さん(ルネサンス研究所研究員)は「負債経済論」のテーマで報告。マウリツィオ・ラッツァラート著「〈借金人間〉製造工場-”負債”の政治経済学」と、デヴィット・グレーバー著「負債論-貨幣と暴力の5000年」に触発されての研究でした。マルクス経済学研究者などから批判的な質問が出されていました。

両氏の報告内容については、社会主義理論学会HP に掲載予定の会報(次号)をご覧ください。

by takashi_tanioka | 2017-06-25 23:30 | 社会科学研究 | Comments(0)
c0236527_15522744.jpg29日午後、社会主義理論学会第28回研究集会に参加しました。統一テーマは「トランプで世界はどう変わるか」で、大西広さん(慶應義塾大学教授)、岩田昌征さん(千葉大学名誉教授)、瀬戸岡紘さん(駒澤大学名誉教授)、村岡到さん(NPO法人日本針路研究所、「フラタニティ」編集長)が討論者として報告しました。

所用のため、途中参加となり、すべての報告を聴くことができませんでした。正確に要約する自信がないので、各氏の報告内容については、社会主義理論学会HPに掲載予定の会報(次号)をご覧ください。

一つ印象に残ったのが、瀬戸岡さんの報告で説明された「近代の基本思想」でした。

「近代の市民社会とは、自立した諸個人が、緩やかに結合する社会でなければならない」

「自立した個人とは、自分で考え、自分で行動し、自分で責任がとれる人のこと」

「そのために個々人は、自由(Liberté)で平等(Égalité)であるばかりでなく、相互に支えあっていかなくてはならない(Fraternité)」

これらは、アメリカ独立宣言・憲法にも、フランス革命の精神・国旗にも体現されているということです。

ところが、諸個人が支配する側と支配される側に分けられるのが「資本主義」の現実です。それに対する怒りが、マルクスに「資本論」を書かせたのではないか、というのが瀬戸岡さんの説明でした。

流行語のように使われる「市民」という概念を、科学的社会主義の文脈の中で、どのように理解すればよいのか悩んでいた私としては、ヒントとなる話でした。これからも考えを深めていきたいです。



「NATO大空爆記念日」について
by takashi_tanioka | 2017-04-29 23:40 | 社会科学研究 | Comments(0)
17日は、ロシア革命で「四月テーゼ」が発表された1917年4月17日(ユリウス暦4月4日)から、ちょうど100年目の日となります。

「四月テーゼ」について、新日本出版社「社会科学総合辞典」は次のように説明しています。

1917年の二月革命後の4月、亡命先からロシアに帰国したレーニンが発表した「現在の革命におけるプロレタリアートの任務について」のなかでまとめられたテーゼ。当時の情勢を、ブルジョアジーからプロレタリアートと貧農の手に権力が移行する革命の第2段階への過渡と規定した。

当時のソビエトは臨時政府を支持する勢力が多数を占め、国民も革命的祖国防衛主義の幻想をもっていたので、テーゼは第1次世界大戦から離脱するためには資本主義を倒す必要があること、政府や社会排外主義者の誤りを根気強く大衆のあいだで暴露することを主張した。

ソビエトへのすべての権力の集中、警察・軍隊・官僚の廃止、土地の国有化、銀行にたいするソビエトの統制を行動綱領としてかかげた。

また帝国主義戦争を支持する社会民主主義の諸党や第二インタナショナルと絶縁するため、党名を共産党と変更すること、第三インタナショナル(コミンテルン)を設立することを提案している。

私が入っている日本共産党は、綱領では「(ロシア)十月社会主義革命」を評価していますが、四月テーゼやロシア革命から100年目の今年、機関紙「しんぶん赤旗」では、それらについて特に取り上げていません。

科学的社会主義を掲げる党として、「ロシア革命100年」について何らかのコメントが欲しいところです。もっとも私自身、3年前にレーニン研究を進めたいとブログに書きながら、その後ほとんどできていませんから、あまり大きなことは言えませんが・・・。


ロシア革命から100年目の今年、ロシア革命の歴史的意義、現代社会との関係などを考える年にしていきたいです。
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池田嘉郎「ロシア革命-破局の8か月」岩波新書 を読んで
by takashi_tanioka | 2017-04-17 23:40 | 社会科学研究 | Comments(0)
c0236527_01114230.jpg12日午後、社会主義理論学会第73回研究会に参加しました。テーマは「アジア的復古」で、瀬戸宏さん(摂南大学)と石井知章さん(明治大学)の論争が中心でした。

瀬戸さんは「『アジア的復古』を考える-重慶モデルの評価から始めて」のテーマで報告。現代中国の評価について、石井さんなどのアジア的復古論を批判しました。

それに対し、石井さんは「いまなぜアジア的生産様式・アジア的復古論なのか?」のテーマで報告。瀬戸さんの批判に応えました。

正確に要約する自信がないので、両氏の報告内容については、社会主義理論学会HPに掲載予定の会報(次号)をご覧ください。私は瀬戸さんの指摘に妥当性があると考えています。

真っ向から対立するような論をもちながらも、席をならべて自論を報告し、議論をたたかわせる両氏の姿をみると、互いに異論と向き合う、この学会の研究会の良さを感じます。

社会主義理論学会は「自由で民主主義的な社会主義を共に志向する人々が、それぞれの立場の違いを認めあいながらも、たがいに学び、交流し、協同して新たな創造的研究に取り組むこと」を目標に掲げています。

会場は専修大学神田キャンパスの大学院棟でした。専修大学へ行くのは久しぶりでした。約4年間通勤していた水道橋・神田周辺は懐かしいです。
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by takashi_tanioka | 2017-02-12 23:40 | 社会科学研究 | Comments(0)
19日、習志野市文化財発表会「掘り起こされた谷津貝塚-奈良・平安時代の大集落をさぐる-」が開催されました。発表に関連する出土資料の展示もありました。

会場となったのは、発掘現場の近隣の谷津コミュニティセンターのふれあいルーム。立ち見も出る超満員の参加でした。
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習志野市最大の埋蔵文化財包蔵地でした。教育委員会の社会教育課文化財係の職員3名が「谷津貝塚の調査の経過」「谷津貝塚の概要」「谷津貝塚から見つかったモノ」の順で発表しました。
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「谷津貝塚の概要」の発表では、集落の特徴として、農耕と漁撈のほか、ウシの飼育が行なわれていたことが報告されました。14頭以上の牛骨が出土したそうです。
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下総国府(現在の市川市)と上総国府(現在の市原市)を結ぶ古代東海道沿いの拠点的集落の一つだったようです。この地域には「浮島牛牧」「高津馬牧」などの官牧もありました。
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「谷津貝塚から見つかったモノ」の発表では、1月の発表会で報告されたモノのほか、官衙(役所)に関する遺物、多数の墨書土器の出土が紹介されました。
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習志野市HP掲載の出土品の写真をご覧ください。報告書も刊行されています。(当初「展示品のインターネット公開はできない」と書きましたが、公開可だったので訂正します。)





まあ、こういう遺跡を潰したがる開発業者は嫌がるかも知れませんが、このような文化財発表会や展示は今後も積極的に取り組んでもらいたいです。埋蔵文化財は国民の貴重な共有財産です。

by takashi_tanioka | 2016-11-19 23:30 | 社会科学研究 | Comments(0)
11月19日、習志野市文化財発表会「掘り起こされた谷津貝塚-奈良・平安時代の大集落をさぐる-」が開催されます。

入場無料で、2時間近くの発表会のほか、発表に関連する出土資料の展示もあります。詳しくは、習志野市HPをご覧ください。→こちら

○11月19日(土)午後1時30分~午後4時

○谷津コミュニティセンター・ふれあいルーム

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案内チラシによると、谷津貝塚は、奏の杜、谷津1丁目・5丁目の一部にかけての広い範囲にわたる遺跡です。

1997年以降の数多くの発掘調査、特にJR津田沼駅南口土地区画整理事業にともなう発掘調査により、奈良時代~平安時代の大規模な集落跡や、旧石器時代の石器集中地点などが明らかとなりました。

今回の発表会では、これまでの調査成果をふり返り、古代の人々がどのような暮らしを営んでいたのかを紹介するそうです。

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日本共産党は「現地への案内板の設置、出土品の展示、市民への報告会などに力を入れるべき」と繰り返し求め、発掘時の現地見学会を2回実施することができました。

今年の3月議会の私の一般質問でも、市民向けの文化財発表会を再度要望していました。

19日は、同じ時間帯に安倍政権の暴走止めよう!自衛隊は戦地に行くな!11・19国会議員会館前行動がありますが、私は、この日は文化財発表会の方へ行こうと考えています。

〔参考〕千葉県北西部地区文化財行政担当者連絡協議会主催の発表会

今年1月の発表会では、谷津貝塚の発表時間は30分程度でしたが、内容が濃く、興味深い発表でした。下のブログで、発表時の写真やチラシをアップしています。



by takashi_tanioka | 2016-11-08 23:30 | 社会科学研究 | Comments(4)
2日午後、社会主義理論学会第72回研究会に参加しました。テーマは「キューバの経済と社会:社会主義モデルの変革の現状と課題」でした。

報告者は、オマール・エベルレ二・ペレスさん(ハバナ大学教授、元キューバ経済研究所所長)。コメンテーターは、クラウディオ・モンゾンさん(キューバ共和国外務省アジア局勤務、文科省給付慶應義塾大学留学生)でした。

新藤通弘さん(アジア・アフリカ研究所所員)が全体を通して通訳を務めました。

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ペレスさんは、現在のキューバ経済の歴史的位置の説明で、ホセ・ルイス・ロドリゲス元経済相の言葉を引用しました。

「問題は、キューバの社会主義のモデルの不十分さを解決することは、これ以上延ばすことはできないということである。このモデルは、外国からの金融を通じて発展するという社会的条件をつくってきた。しかし、キューバ自身の基盤の上で経済の再生産を達成できるようにすることが求められているのである。」(ロドリゲス元経済相)

そして、経済改革の現状と課題を解説していきました。

現在のキューバ経済は、1960~70年代のユーゴスラヴィアやハンガリーの経済改革、1980年代に他のソ連・東欧諸国が取り組んだ経済改革よりも初歩的な段階のように、私は感じました。

約25年前に大学・大学院で研究したソ連・東欧諸国の経済改革を思い出し、「懐かしかった」です。ペレスさんとしては「ベトナムのような道」を考えているようです。

中国やベトナムのように、政治面では共産党政権を維持しながら、経済面では資本主義的政策を導入していくと、将来的に「政治的歪み」が生じると私は考えます。たとえば、新たに誕生する資本家階級の政治的受け皿の準備は、そのひとつです。

ペレスさんは、「経済改革」と「米国との正常化」が同時に進むなか、今後2年間は「新しい選挙法」「新しい憲法」「新たな国家評議会議長の選出」が課題になると述べました。

ペレスさんと考え方が少し違いますが、新藤さんがアジア経済研究所の「アジ研ワールド・トレンド」に分析リポートを投稿しています。キューバ経済を考えるうえで、参考になります。



偶然ですが、ちょうど20年前(1996年)に一人で、10年前(2006年)に妻と二人で、キューバを旅行しています。

1996年の初めての訪問は、キューバ映画「苺とチョコレート」を観たのがきっかけでした。サルサが日本で流行し、キューバの日本人観光客が急増した年でした。

2006年のときは、映画「モーターサイクル・ダイアリーズ」など、チェ・ゲバラを主人公にした映画が何作か作成された頃でした。ゲバラの墓・記念碑、キューバ革命の史跡を目当てに、様々な国の青年がキューバを旅行していました。

妻と旅行したときは「また10年後に来たいね」と話をしていたのですが、今の我が家は、とても海外旅行をできる状況ではありません。でも、いつかは、再びキューバへ行ってみたいです。

by takashi_tanioka | 2016-10-02 23:40 | 社会科学研究 | Comments(0)
24日、社会主義理論学会第27回研究集会に参加しました。統一テーマは「ロシア革命100年を前に」で、2名の研究者から報告がありました。
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まず、森岡真史さん(立命館大学教授)が「ソヴィエト社会主義の形成過程における模索と選択」のテーマで報告。3月に発表した論文「初期ソヴェト経済政策における模索と選択-社会主義への意図せざる突進」(「立命館国際研究」第28巻3号)をベースにした報告でした。

森岡さんは、経済理論、経済思想史、比較経済体制論と幅広く研究活動をされており、近年はボリス・ブルツクスの研究で有名になりました。

この研究集会での報告は、「レーニンは1917年秋の時点では、権力奪取後直ちにロシアに社会主義を導入することは想定していなかった」にもかかわらず、「ロシアにおける資本主義的諸制度は十月革命から数ヶ月間で破壊され」「社会主義への意図せざる突進が生じた」ことについての考察でした。

特に印象的だったのが、公務員ストライキ(サボタージュ)のソヴィエト政府への打撃です。公務員や民間銀行などとの闘争のために、資本主義に対して破壊的な政策を選ぶ方向へレーニンが急速に変化したと説明します。

詳しくは、上記の論文を読んでください。立命館大学HPの立命館国際研究28巻(2015年度)からダウンロードすることができます。

次に、村岡到さん(『フラタニティ』編集長)が「ソ連邦の崩壊とマルクス主義の責任」のテーマで報告。こちらはソ連史ではなく、主に日本におけるマルクス主義の理論と運動に関するものでした。

村岡さんがこれまで指摘してきた諸課題をまとめて報告。私からは、村岡さんが主張する「生活カード制」と消費財市場・生産財市場における需給調整、経済計算論争との関係、マルクス主義憲法学への批判、立憲主義・憲法の評価について質問しました。

年1回の研究集会への参加は3年ぶりでした。4月は意外と行事が多く、参加できないことが少なくありません。
未来社会と社会主義を考える(2013年4月)
by takashi_tanioka | 2016-04-24 23:40 | 社会科学研究 | Comments(0)
5日~6日、第5回日中社会主義フォーラムが慶應義塾大学で開催されました。社会主義理論学会と科学研究費補助金「中国特色社会主義の多角的研究」プロジェクトの主催です。私は1日目(5日)のみ参加しました。

日中社会主義フォーラムは、2008年度からほぼ隔年で開催されており、今回で5回目です。私は初めての参加でした。詳しくは、下記のウェブページをご覧ください。

中国特色社会主義の多角的研究(科学研究費助成事業データベース)

社会主義理論学会HP

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5日の第1報告者は、大西広さん(慶應義塾大学教授)で、テーマは「高成長から中成長に向かう中国-マルクス派最適成長モデルによる予測」。
レジュメの表題は「投資依存型経済からの脱却と『中成長の罠』-2部門最適成長モデルによる分析と予測」でした。大西さんによる「マルクス派最適成長モデル」により、中国経済のゼロ成長化の時期を予測し、今後の課題を述べました。マルクスが論じなかった最適資本労働比率について、それが存在するという視点で議論を展開します。

第2報告者は、張光明さん(北京大学国際関係学院教授)で、テーマは「民主、社会主義と市場」。
社会主義における市場経済の必要性を「個人の自由と民主」の観点から論じるものでした。陳独秀の主張を再評価する報告があり、日本側の研究者から驚かれていました。

第3報告者は、聴濤弘さん(国際問題研究家、元参議院議員)で、テーマは「社会主義の多様性か混乱か」。
マルクスの共産主義思想を「人間の本性は『類的存在』すなわち共同性と意識性(動物との違い)にある。それが私的所有の成立によって利己心をもつ人間に変わった。したがって、私的所有の廃絶によって共同性と意識性という人間の本性を高い次元で再建する必要がある」とし、「今日における実現可能な社会主義」を探求するものでした。

第4報告者は、李延明さん(中国社会科学院マルクス主義研究院研究員)で、テーマは「柳暗けれども花明るくまた一村:自然主義のマルクス主義」。
これまでの共産主義運動の失敗(特権階級の出現など)の原因を論じ、「自然主義のマルクス主義」によって「過去の理論と実践への一連の認識と評価を刷新する」ことを主張するものでした。

第5報告者は、田上孝一さん(立正大学講師、社会主義理論学会事務局長)で、テーマは「マルクス理論の基本構造-マルクスのマルクス主義のために」。
疎外論は、初期マルクスの一過性の理論ではなく、「資本論」にいたるマルクスの全生涯において社会の把握と批判のための基本原理になっていたという報告でした。私が大学で学んだユーゴスラヴィア労働者自主管理の議論(ソ連型社会主義の批判など)でも、「疎外」や「アソシエーション」がキーワードの一つでした。

都合により、最後の総合討論の前に帰宅しました。日本側の研究者の報告は様々な形で過去聴いたことがあるのですが、中国側の研究者の報告は初めて聴くものもありました。有意義な研究会でした。
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市議会議員になってからは、江戸川を越えることが少なくなりました。学会・研究会は東京都内の空気を吸う数少ない機会です。写真は、三田の慶應義塾大学東門と東京タワーです。

6日、朝はマンション管理組合のクリーンデーに参加。その後、3月議会の議案を検討したり、地域の訪問活動をしたりでした。
by takashi_tanioka | 2016-03-06 23:30 | 社会科学研究 | Comments(0)

日本共産党市議としての活動日誌をメインに、日々の思い、家族のこと、研究活動などをご紹介します。


by takashi_tanioka