2012年 12月 28日
有毒発煙筒760個の発見-泉町3丁目の旧陸軍習志野学校跡地
陸軍習志野学校(毒ガス学校)は、毒ガス戦の教育と毒ガス兵器の運用研究を行う機関であり、毒ガス弾等が配備されていました。
第二次大戦後に埋設処理された毒ガス弾等の調査が2003年から実施されており、2009年に初めて発見されました。このときは、学校跡地の一角(現在は空地)で、老朽化した有毒発煙筒「あか筒」が61個発見・回収されました。
その後、今年12月17~19日、既設の埋設管やコンクリート等の撤去工事をしていたところ、地下約1mの埋設物の下から、「あか筒」らしきもの(直径約11cm、長さ約21cm程度の円筒形)が約760個発見されました。
「あか筒」には、有機ヒ素化合物の一種「あか剤」(くしゃみ剤:くしゃみ性・嘔吐性ガス)と加熱剤などが充填されています。吸入すると、くしゃみ、鼻水、せき、吐き気などが止まらなくなります。
回収物は密封措置されたうえで、安全に保管されたそうです。環境省は今後、適切に処分を行う予定とのことです。発見・回収時において、旧軍の毒ガス成分を検知することはありませんでした。撤去工事は無事完了し、これら以外には特に異常や危険物の発見はありませんでした。
私は、市議会の一般質問(2010年3月議会など)、毎年度の予算要望などで、徹底調査と撤去を要求してきました。今回は、習志野市や環境省が地権者に綿密な調査を指導した結果、当初予想されていなかった大量の有毒発煙筒を発見することができました。市担当者など関係者のご尽力に感謝します。
今後は、調査済みの空地に建物を新築する際にも、綿密な調査をしながら工事するように地権者・建設業者を指導していくそうです。
〔陸軍習志野学校の配置図(環境省の資料)〕
陸軍習志野学校には、「あか剤」のほか、びらん性ガス「きい剤」(イペリットとルイサイト)が相当量配備されていました。埋設処理された毒ガス弾等をすべて発見し、地域全体の「安全宣言」を出せるようにしなければ心配です。
戦時中に学校が疎開していた場所(現在の陸上自衛隊習志野演習場)に埋設処理されたという資料もありますが、防衛省は一部しか調査していません。日本共産党は、学校跡地(泉町)だけでなく、演習場も全域を徹底調査することを要求しています。
旧陸軍習志野学校跡地内における老朽化したあか筒の可能性がある物体の発見について(環境省HP)
国内における旧軍毒ガス弾等に関する取り組みについて(環境省HP)
旧軍毒ガス弾等に関する環境調査(習志野市HP)