2014年 08月 23日
議員の学校「公共施設は『消滅』するのか?」(1日目)
今回の共通テーマは「公共施設は『消滅』するのか?~自治体の公共施設再編を考える~」。「政府の『公共施設等総合計画策定指針』を受けて、全国の自治体で取り組まれている『公共施設再編計画』について、第一線の研究者が財政・都市計画・人口減少社会の視点から語ります」との案内でした。
今回のテーマへの関心は高く、受講希望者が多かったため、予定より大きな会場(富士電機能力開発センター)へ変更となりました。
1日目の講義1の講師は、多摩住民自治研究所理事長の大和田一紘さん。テーマは「公共施設白書から見える施設運営と財政の課題」でした。
地方自治体の財政分析で有名な人です。多くの自治体が東洋大学PPP研究センターに依拠し、産学官共同で「公共施設再編計画」を作成しようとしていることを危惧していました。
いくつかの地方議員研修会に参加してきましたが、東洋大学の「公共施設マネジメント手法」、根本祐二教授と塩川正十郎総長の動きへの危惧をストレートに話す講師は初めてだったので、驚きました。
大和田さんは、多くの自治体において「住民不在」で調査と計画策定が進められている実態を指摘。「住民合意なしには一歩も進めることはできない」「住民不在のやり方は、住民の福利、活力、生きがいを奪う」と批判しました。
建設政策研究所関西支所主催の研修会でもいっしょだった議員の方からは、「あのとき、谷岡さんが指摘したことがわかりましたよ」と言われました。
講義2の講師は、都市計画プランナーの野口和雄さん(野口都市研究所代表)。テーマは「都市計画プランナーから見た公共施設計画」でした。
やはり東洋大学の手法には批判的。「再配置計画はつくらざるをえないが、ある大学のやり方は極端だ」と指摘しました。一部の行政職員や大学任せにするのではなく、住民参加で徹底的に議論をし、住民合意を形成する必要を強調しました。
野口さんがコンサルタントとして関わった地方自治体の実例を紹介されました。社会教育施設や複合施設のあり方について、私とは多少考え方が違いましたが、勉強になりました。
講義に続き、実践報告「東日本大震災の現場から」で、宮城県塩竈市、福島県南相馬市、岩手県金ケ崎町の議員から、被災地の現状と直面している課題について報告を受けました。
地道に頑張っている地方議員の方々から、被災住民の生活や仕事の再建について、現地の奮闘が生の声で報告されました。私自身は段々関心が薄くなってきており、反省しました。
夜の懇親交流会では、自民党の議員と隣り合わせ。常連参加の公明党の議員もいました。考え方が違う面もありましたが、様々な立場で住民のために頑張っている姿がみえ、何だか元気づけられました。