人気ブログランキング | 話題のタグを見る
NEW POST

まちづくり広報監、資産管理担当、企画政策部門の民活路線・・・機構改革の動き

まちづくり広報監、資産管理担当、企画政策部門の民活路線・・・機構改革の動き_c0236527_917315.jpg昨年末から、新聞等に「習志野市で『まちづくり広報監』を募集」の記事が出ています。今日が応募の締め切りでした。この件について、住民から次のような意見をいただきました。

通常の職員採用とは別枠で、外部から幹部職員待遇の「広報監」なる職務の職員をなぜ採用するのでしょうか。広報業務は大切です。求められているのは、市民からの声をすくいとることです。「○○監」はよほどの必要性がない限りもう増やす必要はないと思います。最近、まちづくりや公共施設再生計画などで、市の事情を知らない外部スタッフを使っています。これ以上、市職員の働き場所を奪わないで欲しいと思います。

今回の任期付職員の募集は、「まちづくり広報監」と「資産管理担当」の2名となっています。概要は下記の通りです。→募集要項

まちづくり広報監(一般行政職)
○任期は3年、最長5年まで延長する場合あり。
○次長相当職または部長相当職の管理職を予定。
○職務内容:市の魅力の創出と発信(地域ブランディング・シティセールス)。広報手法の改善と新たな手法の検討、創出。情報発信力強化のための組織・職員への指導。地域情報の収集と集約。議会等関係者への説明など ほか。

資産管理担当(一般行政職)
○任期は3年、最長5年まで延長する場合あり。
○課長相当職または次長相当職の管理職を予定。
○職務内容:公有財産管理全般に関すること。公有財産有効活用の政策及び方針に関すること(公共施設再生計画の総合調整、大久保地区公共施設再生、消防庁舎建設など)。民間連携事業手法の可能性についての調査研究。議会等関係者への説明など ほか。

「まちづくり広報監」の創設は、昨年8月の重要事項説明で市議会議員に説明されていました。9月議会では、私から一般質問をしました。当時は、仮称で「広報担当官」とされていました。詳しくは、9月議会の会議録(9月11日)をご覧ください。

習志野市議会会議録検索システム→「広報担当官」で検索

「まちづくり広報監」の創設も含む機構改革について、宮本泰介市長は12月議会で「習志野市行政組織条例の一部改正(議案63号)」を提案しました。

日本共産党は、今回の機構改革について、部署再編などの問題点を指摘して反対しました。日本共産党を代表して入沢俊行議員が討論をしていますので、詳しくは下記の討論概要をご覧ください。

まちづくり広報監、資産管理担当、企画政策部門の民活路線・・・機構改革の動き_c0236527_917315.jpgさて、今回の職員採用をみて、9月議会と12月議会で追及しなかった問題として、市役所の企画政策部門の「民活路線」があると感じています。

今年4月から、習志野市の企画政策部門として「政策経営部」が新設され、市役所の筆頭部となります。政策経営部のうち、広報と資産管理の次長クラスの役職を私企業(民間)から採用しようとしています。任期付職員ですから、3~5年後には私企業へ戻っていきます。

地方自治体の行政において、私企業の経営手法を参考にする場面はあるでしょう。しかし、「公有資産有効活用」の名による市有地売却や施設民営化、まちづくりや広報の活動を、私企業や業界団体などとつながりがある人物が担当するとなれば問題です。入沢議員の討論でいう「首長参謀の権限の高まり」と結びつけば、なおさらたいへんです。

新自由主義路線を推進する人たちが盛んに言う「民間活力」とは、「市民の活力」ではなく、「民間資本(私企業)の活力」のことです。公共部門を私的な経済活動に委ねた方が効率的というのが「民間活力導入」の意味です。

営利を目的としない公共部門の重要な役職に、民間資本(私企業)の論理を中心にすえる人を導入するのは慎重でなければならない、と私は考えます。

「まちづくり」「広報」「公有資産(公的不動産)」の分野への「民間活力導入」について、今後の動きを注視していきたいと思います。




行政組織条例の一部改正の反対討論(入沢議員・概要)

日本共産党を代表して、議案63号「習志野市行政組織条例の一部を改正する条例」に反対の討論を行ないます。

議案63号は、宮本市長の提案理由では「少子超高齢社会と人口減少社会への対応」を理由に市長部局を現行の8部体制から6部体制にしようとするものです。

私は、市長部局体制の改廃について、1984年の「6部1室35課」を「6部31課」とする条例改正、1991年の「7部37課70係」を「8部42課86係」とする条例改正、1995年の「8部48課89係」を「8部45課90係」とする条例改正、それぞれの市長による提案理由の説明を会議録で確認しました。

あらためて感じたのが、その時々の行政運営上の変化や問題点、課題に基づき、部だけではなく課、係についても具体的な課題をもって提案をしているということです。

今回の改編によって廃止される環境部の設置について、1995年の改編では、「環境調整課、清掃課、リサイクル推進課、公園緑地課、環境保全センターの5課制」とすること、「環境保全センターに自然保護係を新設し、自然保護地区、保存樹木の調査、保護等の緑地保全、自然の動植物等の保護等について総合的に所掌する」など、詳細に提案をしています。

しかし、今回の8部を6部にする提案では、課や係の業務については一切触れられておらず、抽象的な「社会情勢の変化に柔軟に対応する」などの説明しかされていません。

市長部局の業務の現実的な課題から今回の部の改編が提案されたのか、市長及び執行部の説明では理解できません。

この組織改編によって一番危惧するのが、習志野市の総合的な政策の企画・調整、経営改革をつかさどる企画政策部と、予算編成・執行管理などを行なう財政部を「政策経営部」に統合することによって、計画と予算編成が一元管理されることです。

長期的で広範な計画を策定し、なおかつ予算編成の裏づけも持つことになれば、他の部署は従属的な立場になり、それぞれの事業が軽視されることになるのではないでしょうか。

10年前になりますが、2005年に総務省が全国の自治体に対して「地方公共団体における行政改革の推進のための新たな指針の策定について」を示しました。

この考え方は、「今後地方自治体において純粋に『行政』が担う役割は、戦略的な地域経営のための企画立案や条例制定など、『行政』でなければ対応しえない核となる部分であり、地域経営の戦略本部としての機能を十分に発揮するため、効率的な体制を構築することが求められる」としています。

この考え方については、次の2つの問題点が指摘されています。一つ目は、政策形成・立案という戦略本部機能への特化が、その裏返しとして、事業執行の切り捨てを呼び起こすこと。二つ目は、自治体内部で戦略本部への集権化が進められるということです。

すなわち、自治体内部での首長のリーダーシップの強化、首長参謀の権限の高まり、トップダウン方式の推進など、一言でいえば官僚的集権構造がつくりだされるということ、行政内部のあらゆる部署の事務執行をスリム化して、切り捨てることが最優先課題になってしまうことです。

習志野市においては、企画政策機能と予算編成機能が統合した市長の参謀機能が強化されることになり、その反面、福祉、衛生、産業、都市整備、消防、教育等の事業執行部署が軽視されるようになるのではないでしょうか。

1991年の組織改編では、当時の荒木市長は、「5つの観点から組織の見直しを進める」として、その第一に「企画財政部門の分離」を掲げました。その理由として、「企画調整機能の強化と財政部門の強化を図るために、企画財政部を企画政策部と財政部に分離する」と述べています。

今回の提案では、企画と財政のそれぞれを強化したことの総括がされていません。なぜ、再び企画調整と予算編成・執行管理を一元化するのでしょうか。その目的がわかりません。

また、財政では、予算編成・執行管理、その他の財務を「政策経営部」、税を「協働経済部」に切り分けて、支出と収入を分離しようとしています。本来一体である収入と支出を別に管理することで健全な財政運営が行なえるのか懸念があります。

もう一つ指摘をしなくてはならないのは、環境部と都市整備部を「都市環境部」に統合することです。1995年の環境部の設置提案では、詳細に各課の業務の所掌を位置づけています。しかし、繰り返しになりますが、今回の提案では「人口減少社会への対応」とか「柔軟に」などどうにでも解釈できる説明で済まされています。

都市開発を進める都市整備部と、住環境や自然の保全といった状況に応じて開発の抑制を求める環境部が、一つの部として役割を発揮することができるのか、説明がありません。

今回の宮本市長の提案は、市長権限の強化や開発優先のまちづくりを推し進めるものであり、認めることはできません。

以上、市長から提案された市長部局を現行8部から6部に改廃する条例の問題点を指摘して、議案63号に反対します。
by takashi_tanioka | 2016-01-18 23:30 | 公共施設再生 | Comments(0)

日本共産党市議としての活動日誌をメインに、日々の思い、家族のこと、研究活動などをご紹介します。


by 谷岡 隆