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大空小学校と秋津小学校・・・映画「みんなの学校」とシンポジウム

2日、習志野市ひまわり発達相談センター開設5周年記念事業「子どもたちの学び合いと育ち合いを考えるシンポジウム ~「みんなの学校」が教えてくれたこと~」に参加しました。


習志野文化ホールに1000人を超える市民が集まりました。働いている保護者のために平日日中は避けてもらいたかったのですが、地域の高齢者の方々も含め多くの市民が参加したのは良かったです。

市長あいさつに続いて、映画「みんなの学校」の上映。その後、木村泰子さん(大阪市立大空小学校の初代校長)が「みんなの学校が教えてくれたこと」のテーマで基調講演をしました。
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後半のパネルディスカッションのテーマは「子どもたちの学び合いと育ち合いを考える」。コーディネーターは、太田俊己さん(関東学院大学教授)でした。

パネリストは、木村泰子さん、大塩幸雄さん(習志野市市民協働こども発達支援推進協議会会長)、阿部友理さん(障がいや遅れをもつ子の親のための算数勉強会「マスママカレッジ」代表)、植松榮人さん(習志野市教育委員会教育長)、宮本泰介さん(習志野市長)でした。

宮本市長は、ならしの子ども劇場で「みんなの学校」を観たことがあるそうで、「『みんなの学校』は社会の縮図。習志野市の人事研修でも使いたいと思った」という主旨の発言をしていました。ぜひ、実践していただきたいものです。

映画の内容から考えると、不登校児の保護者、小学校内の特別支援学級・通級教室の保護者なども、パネリストに加えるべきだったと思いました。
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木村泰子さんの講演を聴いて初めて知ったのですが、「大空小学校の原点は、習志野市の秋津小学校」とのことでした。

約20年前、どうすれば学校を変えられるかと悩んでいた木村さんは、秋津小学校の「秋津コミュニティ」など地域に開かれた学校づくりの紹介記事に出会い、休暇をとってアポなしで秋津小学校を訪問したそうです。

その後、木村さんは教頭、校長となり、赴任先の小学校の校門に「学校と地域が共に学び、共に協力しあいながら、『地域に生きる子ども』を育てている学校です」(大空小学校の場合)の看板を掲げるようになりました。

木村さんは基調講演で「大空小学校の原点は秋津小学校で学んだ新鮮なこと」と発言していました。

その木村さんが、「公共施設再生」「学校施設再生」の名で、秋津幼稚園や秋津小学校の統廃合・跡地売却(下の資料)を推進している宮本市長から花束をもらい、市長や教育長と並んでパネルディスカッションをするのですから、すごいことです。

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特別支援学級をなくし(学籍上は存在するようです)、すべての児童の顏・名前・特性などを校長先生が把握して、直接指導する場面もあった木村校長時代の映画。木村さんの才覚だけでなく、当時220名の学校規模だったことも、そのようなやり方を可能にしたのだと思います。

現在の大空小学校は、通学区域の変更により、映画の撮影時よりも100名以上も児童数が増えています。木村校長時代と同じようにしていくのは難しくなるのではないでしょうか。

まあ、習志野市の場合、東洋大学の某教授のように「12学級未満の小規模校(35名×12学級=420名)は統廃合」という発想では、大空小学校のようなやり方は到底無理でしょう。

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映画「みんなの学校」は全国的に有名となり、非常に人気のある映画となりました。ただ、このような学校運営を理想化して良いかどうかは、慎重に考えていかなければならないでしょう。

「すべての子どもの学習権を保障する」という学校理念はすばらしい。様々な子どもが隔離されることなく、共に学び、共に遊び、共に生活することは大切です。

でも、通常学級の環境を苦痛に感じる子どもはいますし、各小学校から「特別支援学級」をなくすことがベストと言えるかどうか、私は疑問に思います。

インターネットで調べていたら、「はてなダイアリー」で次のようなブログ記事を見つけました。興味深い意見です。→「普遍的なルールを順守させる」責任を背負った教育を観て

私の長男をみていると、特別支援学級がなくなってしまうと、逆に小学校へ行かなくなってしまうような気がします。今後、木村さんの著書も購入して読んでみて、じっくり考えていきたいです。

by takashi_tanioka | 2017-08-02 23:30 | 習志野市政 | Comments(0)

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