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東習志野こども園の視察・・・認定こども園の午後の「保育」

8日午後、東習志野こども園を視察しました。荒原ちえみ議員、馬場信韶元議員、千葉県保育問題協議会(千葉県保問協)の会長がいっしょでした。
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東習志野こども園の園内を視察するのは12年ぶりです。当時、丸山慎一県議、浅野ふみ子・党県女性部長らといっしょの視察でした。→こちら

12年前は、市当局から「午後の視察は子ども達が落ち着かなくなる」と言われ、午前中の「合同保育」しか見せてもらえませんでした。この時間帯は「幼稚園教育」に合わせた流れになっています。

しかし、その後、保守系議員が午後の時間の視察をしていることを知り、今回は時間指定で視察を申し込みました。短時間児・長時間児の分離、長時間児の午睡という、開園時から問題視してきた時間帯です。

私自身は幼稚園に通った体験しかなかったのですが、その後、3人の子どもが保育所に通いました。一日4時間の「教育」が基本の幼稚園と、最長12時間も「生活」する保育所の違いを強く感じました。

私は、2008年12月号の「議会と自治体」に「認定子ども園を軸にした大規模集約化の問題点」という論文を書きましたが、子どもを通じて長時間保育を経験した今、問題意識をより強く持つようになりました。

東習志野こども園の開園1年後の保護者・保育者アンケートの全文公開を市当局が拒否し、内部の批判的な意見が隠され、こども園の保育の実態が園外から見えづらい状態が続きました。

その後、認可保育所から認定こども園に転園した保護者の違和感や苦労話を聴く機会がありました。認定こども園の勤務を経験した職員も増えました。内情が段々と伝わってくるようになりました。

東習志野こども園の視察・・・認定こども園の午後の「保育」_c0236527_14394787.jpg千葉県保問協は、認定こども園制度の創設時から、特に4~5歳児の「合同保育」の問題点を指摘していました。この日の視察でも、会長は「(4~5歳児クラスは)幼稚園にしか見えない」という感想でした。

その後10年がたち、全国保育団体連絡会(全保連)でも同様の見解が広がってきているようです。

2018年2月号の「月刊クレスコ」では、全保連副会長が「『子ども・子育て支援新制度』のなかの幼稚園・保育園・認定こども園」を執筆しています。幼稚園と認定こども園は同一線上の施設として記述されています。

私は、東習志野こども園の午後をみて、「認定こども園(4~5歳児)は『午睡付きの預かり保育』のある幼稚園」と思いました。

「午前8時30分~午後4時30分」を通常保育とし、クラス担任が継続的に保育をする認可保育所と、長時間保育の流れを「午前9時~午後2時の合同保育」で分断する認定こども園は異質のものです。

認定こども園で勤務した保育士(管理職を含む)は、認可保育所の勤務に戻ると、従来の保育所保育の流れに戻っていきます。これこそ、認定こども園の長時間保育がスタンダードでないことを証明しています。

習志野市は、4~5歳児でも無理がある「合同保育」を、3歳児にも拡大しようとしています。長時間児と短時間児を分離する午後2時は、通常の保育所の3歳児が午睡している最中です。

また、東習志野こども園の場合、4~5歳児の「合同保育」を前提とした設計になっていますが、3歳児の「合同保育」は想定されていません。保育室の配置など、施設面からみても無理を感じました。

無理のある制度、無理のあるクラス設定のもとでは、子ども達だけでなく、保育士にも負担を強いることになります。認定こども園勤務の保育士から「異動願い」が多いことは、市議会で以前明らかになりました。

幼稚園には幼稚園の良さがあり、保育所には保育所の良さがあります。行政の都合で、無理やり一クラスにまとめては、幼児期の育ちに悪影響が出ます。

幼稚園生き残りのために「認定こども園」に変えていくのではなく、幼稚園は幼稚園として発展させていくべきです。また、「幼保一元化」の建前で幼保統廃合を推進するのも許せません。

東習志野こども園は、夕方までの「預かり保育(午睡なし)」の部屋があり、未就園児のための「こどもセンター」もあります。幼稚園としてみた場合、良い面があります。

「東習志野保育所」を廃止して認定こども園化した幼稚園に合流させるのではなく、保育所を残したまま、「東習志野幼稚園」は単独の幼稚園として発展させるべきでした。

日本共産党習志野市委員会は、既存の市立こども園について「長時間児と短時間児を無理に一クラスにするのではなく、別クラスとして、それぞれの生活リズムに合わせた保育をすること」を要求しています。

この日の視察は、上記以外にもわかったことがあり、とても勉強になりました。引き続き、幼児期の育ちを大切にした保育に転換するよう求めていきます。

by takashi_tanioka | 2018-03-08 23:30 | 議員活動 | Comments(0)

日本共産党市議としての活動日誌をメインに、日々の思い、家族のこと、研究活動などをご紹介します。


by 谷岡 隆
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