
2月8日付の「しんぶん赤旗」に、
上念司氏を批判する記事が掲載されていました。ベネズエラについて、上念司氏が「マドゥロ側を応援しているとも思えるような論調の新聞があるんです。『赤旗』、日本のね。」とラジオ番組で発言したとのことです。
この間の「しんぶん赤旗」のベネズエラ報道は、「グアイド側を応援している」「アメリカ寄り」と言われることはあっても、どこをどう読んでも「マドゥロ側を応援している」とは読み取れません。
文章読解力ゼロの上念司氏のお粗末な話です。
さて、大学・大学院のとき、指導教官の岩田昌征先生から、ユーゴスラヴィア内戦時の現地の新聞・雑誌やニュース録画をよく視せてもらいました。
当時、欧米・日本のマスメディアは「セルビア悪玉論」に染まっており、セルビア人による人権抑圧・残虐行為ばかりを報道していました。
しかし、紛争当事者の双方の報道をみると、他民族のセルビア人への残虐行為も多数あったことがわかります。国内紛争では特に、どちらか一方の視点に立つと判断を誤るということを学びました。
また、アメリカ・西欧の大国による、小国の内政への非暴力的な干渉についても、岩田先生の著作等はユーゴスラヴィア解体の実例で示しています。
さて、ベネズエラについては、アメリカ・西欧諸国を中心に「マドゥロ悪玉論」。それに親米政権のラテンアメリカ諸国が同調し、日本のマスメディアも同調して報道しています。
そして、残念なことに「しんぶん赤旗」も「マドゥロ悪玉論」に乗じた記事・写真を1月から2月にかけて掲載し続けています。ロイター通信や時事通信の配信に依存しているようです。
私は、マドゥロ政権を特に支持している訳ではありませんし、ベネズエラの専門家でもありませんが、マドゥロ大統領就任を認める側の主張や現地の新聞報道すら無視する記事の書き方は「偏向報道」と思います。
全体的にはアメリカのトランプ政権に批判的な記事が多いのに、ベネズエラ問題になると、アメリカ、西欧諸国、親米政権が誕生したラテンアメリカ諸国によるマドゥロ大統領否定ばかりが記事になり、トランプ政権が応援するグアイド国会議長を「暫定大統領」扱いする写真ばかりが掲載されています。
日本にいても、インターネットでベネズエラ現地の情報は、親マドゥロ側も、親グアイド側も、ある程度は読むことができます。私のようにスペイン語ができなくても、翻訳ソフトを使えば大要はつかめます。
なのに、なぜ、マドゥロ支持の集会は報道されないのか。マドゥロ政権側の主張は報道されないのか。ベネズエラ大使の反論は報道されないのか。それは「マドゥロ悪玉論」先にありきだからではないでしょうか。このようなことでは判断を誤ってしまいます。
でも、ラテンアメリカ研究者の間で意見が分かれているなか、できる限り多様な意見を読むよう心がけています。
日本共産党綱領から考えて、声明の最後「ベネズエラの危機は、ベネズエラ人民の手によって解決されるべきである。」は絶対的に正しい。
その前段の「ベネズエラの危機を解決するうえで、外部からの干渉・介入を許さず、ベネズエラ人民の自決権を擁護・尊重すること、暴力に訴えることなく問題を平和的に解決することが、きわめて重要である。日本共産党は、どの国によるものであれ、ベネズエラに対する外部からの干渉・介入にきびしく反対する。」も正しい。
それならば、なぜ、「マドゥロ政権を、ベネズエラ人民の意思にもとづく正統な政権とみなすことはできない。」と、日本の共産党が勝手に宣言し、大々的に発表するのでしょうか。
マドゥロ大統領を「正統な政権とみなすことはできない」となると、ベネズエラ憲法から考えると、グアイド国会議長の暫定大統領就任を認めるということに繋がりかねません。
また、「大統領選挙のやり直し」という、現時点ではグアイド国会議長側が要求し、マドゥロ大統領側は必要なしとしている手法を声明に入れるのも、公平性を欠いています。
一つの独立国に「大統領」を名乗る人物が2人いるという状況において、他国の政党が片方の「大統領」に肩入れするような声明を出して良いのでしょうか。
国連の報道発表も、アメリカの経済封鎖を批判するものは無視です。国連人権高等弁務官の報告は重く受けとめたとしても、昨年の大統領選挙を否定するまでの資料ではありません。
仮にどうしても一国の政権・大統領の正統性に言及する声明を出さざるを得ないのであれば、せめて調査団を送るなり、特派員を送るなりし、慎重に実態調査をし、党員に報告して議論し、結論を出すべきではないでしょうか。
「ベネズエラの危機は、ベネズエラ人民の手によって解決されるべきである。」に徹するべきなのに、「マドゥロ悪玉論」を植えつける記事ばかりを掲載し続けた「しんぶん赤旗」編集部と、それに基づいた声明を発表した委員長には、とても残念に思います。以上、私の個人的な感想です。
先日、ある社会科学の研究会においてベネズエラの話をしたら、ある研究者から「日本共産党は自分の選挙への影響しか考えていない。国際連帯なんて考えていない。」と言われました。そう思われても仕方のないことだと考えます。
〔参考〕
ベネズエラ共産党は、チャベス政権の石油依存体質の経済財政運営に批判的だったようです。また、汚職・抑圧の批判もしていますが、アメリカの介入には反対で、マドゥロ大統領を支持しているようです。
志位和夫委員長が声明を発表した2月21日と同日、ラテンアメリカ研究者などによる「ベネズエラ情勢に関する有識者の緊急声明」も発表されました。「しんぶん赤旗」編集部に足らない視点・論点があるので、下記リンクを参考に掲載します。
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