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習志野市立保育所私立化ガイドラインの改悪を批判する討論・・・6月議会の最終日

習志野市立保育所私立化ガイドラインの改悪を批判する討論・・・6月議会の最終日_c0236527_06505213.jpg24日、午前10時から議会本会議(最終日)。各常任委員会・特別委員会の委員長報告と質疑の後、討論と採決。議案11件と請願・陳情7件を採決しました。私は議案1件について討論をしました。

その後、議員発議の意見書7件の提案理由の説明があり、質疑・討論・採決と続きました。私は、発議案「核兵器禁止条約の実効性を高めるための主導的役割を果たすことを求める意見書」を提案しました。午後3時10分頃に終了しました。

議案に関連して、私は、市立保育所の私立化ガイドラインの改悪を批判する討論をしました。私立化ガイドラインの内容は、大久保第二保育所、藤崎保育所、菊田第二保育所の民営化に影響を与えます。

議案は、大久保第二保育所の位置変更と分園設置に関する内容でした。老朽化した保育棟を建て替えるために、一時的に代替施設に移転する必要があることは認めます。しかし、この建て替えが民営化を推進するために行なわれることは認められません。



私の討論の要旨を紹介します。

習志野市立保育所私立化ガイドラインの改悪を批判する討論・・・6月議会の最終日_c0236527_01340557.jpg習志野市立保育所私立化ガイドラインの改悪を批判する討論

大久保第二保育所の民営化は、市立保育所・幼稚園の統廃合・民営化の一環です。習志野市の保育の質を担保する公立保育所や公立幼稚園が次々と潰されています。

それだけでなく、大久保第二保育所、藤崎保育所、菊田第二保育所の民営化では、習志野市立保育所私立化ガイドラインの改悪も行なわれました。

保育士の資格取得者は多いのに、私立保育所で「保育士不足」が問題となっています。過重労働なのに待遇が悪いことが背景にあります。先進的な自治体は、独自の待遇改善を推進しています。

ところが、宮本市長は、保育士の待遇や職場環境の改善で就業希望を増やすのではなく、経験・配置などの基準を下げて保育士をかき集め、「不足」をまかなう “安上がり” の方向へ進んでいます。

2020年の習志野市立保育所私立化ガイドライン改定懇話会に、経験・配置などの基準引き下げが持ち込まれました。新人保育士がいくら研修や実践を重ねたとしても、多数が4・5年で辞職してしまうという現状では、ベテランが育っていきません。保育の安全基準の引き下げにつながる危険な道です。

民営化後の保育所の施設長について、従来のガイドラインでは「保育経験が10年以上」と定められていましたが、改悪後のガイドラインでは「保育経験が5年以上」に引き下げられました。従来の半分の経験年数であり、0歳児から5歳児まで6年間の保育を一通り経験したことのない人でも施設長になれてしまいます。市立保育所では考えられない基準です。

保育士については、従来のガイドラインでは「保育士資格を有する常勤職員としての保育経験が5年以上である者を3分の1以上配置」と定められていました。新しいガイドライン案では、当初、この基準が全面的に削除されていました。これに対し、様々な市民・保護者から抗議の声があがりました。

その一つが、こども園計画、次世代育成、子ども子育ての各種審議会の保護者委員を務めた4名の市民が提出した要望書でした。表題は「習志野市立保育所私立化ガイドラインの『経験者の確保』『保育士の経験年数』の基準を引き下げないこと、「習志野市民間認可保育所設置及び運営に関する基準」を上回る現行の基準を堅持することを強く求めます」でした。同年11月21日の「東京新聞」で大きく取り上げられました。

このほか、「東京新聞」の記事には、当時の習志野市保育所・こども園保護者会連絡会が実施した保護者アンケートでは「私立化ガイドラインの保育士の経験・配置要件の緩和」に95%の保護者が反対という結果だったことも掲載されました。

これらの意見におされ、最終的には「児童福祉施設等での保育経験が5年以上である者をミドルリーダーとして乳児、幼児各1名以上配置すること」と「保育経験5年以上の保育士を3分の1以上配置するよう努めること」が私立化ガイドラインに書き込まれ、一定の改善が行なわれました。

しかし、この基準でも問題があります。経験5年以上の保育士が2人しかいなくても、150人規模の保育所が運営できるという基準となっています。これも、市立保育所では考えられない基準です。

また、「保育士資格を有する常勤職員としての」の文言が外されましたから、パート職員の経験年数を参入することができます。「なお、保育士の資格を有していれば、幼稚園の経験年数を参入することができる」とされているので、保育経験5年以上とされるミドルリーダーが2人とも、乳児保育を経験したことのない保育士になる恐れもあります。

これでは、賃金が高くなるベテラン保育士を雇わず、新卒や経験不十分の保育士ばかりにして人件費を抑えようとする民間法人の参入を食い止められません。

このほか、千葉県保育問題協議会会長が改定懇話会に提供した資料によると、「主任保育士の保育経験の全国平均は20年以上」でしたが、習志野市の私立化ガイドラインでは「保育経験が7年以上」とされています。全国平均の半分以下という低い基準です。

「本市が市立保育所として行ってきた保育の基本的な継承及び発展を図る」というのが習志野市の保育所私立化の建て前です。私立化ガイドラインの保育士等の配置を市立保育所では考えられないような基準に引き下げてしまっては、習志野市の建て前すら通用しなくなります。これを機に、すでに民営化された他の私立保育所の基準も引き下げる動きが出てこないか危惧されます。

もう一つ、悪質だったのが、副座長だった田島大輔・和洋女子大学助教が4名の元審議会委員による要請書を攻撃する発言をし、座長がこの発言を支持する態度をとったことでした。

この発言が会議録からこっそりと削除されていたのも悪質でした。このほかにも、この改定懇話会の会議録は多数の改ざんが行なわれています。確認のために会議の録音データの資料提出を求めましたが、拒否されました。

副座長が会議への遅刻を繰り返し、一回は会議が不成立となったことについて、市議会で自民党議員から厳しい批判がされましたが、その後、改定懇話会の場で本人から反省の言葉は一言もありませんでした。それどころか、翌年5月からは大久保第二保育所の移管先法人選考委員会の委員に入り込んでいました。

大久保第二保育所の移管先法人選考委員会の会議は、非公開の密室審議でした。第4回会議からは会議録すら公開されていません。不透明な審査を経て、社会福祉法人習志野に大久保第二保育所が引き渡されることになりました。このような強引な民営化は認められません。

かつて習志野市の保育所はすべて公営でした。保育所に入るなら習志野市と言われた時期もありました。その市立保育所を潰すだけでなく、保育の質を守る上でも、安全安心の保育を行なう上でも、必須の条件である「経験豊かな保育士をきちんと配置する」という最低限のハードルすら引き下げ、不透明な審査で民間事業者を決定し、強行される民営化に強く抗議し、中止を求めます。





議会終了後に生活相談や会議・・・くたくたになりました

議会終了後、市役所での所用をすませ、生活相談が寄せられていた現場を見に行きました。

給食センター跡地の解体工事の騒音・振動の問題です。
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藤崎地域の道路の不具合です。自動車交通量が増え、痛むのが早くなりました。
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その後、参議院選挙などについて党市委員会で会議。最後は、くたくたになりました。

by takashi_tanioka | 2022-06-24 23:30 | 保育所・学童保育の民営化 | Comments(0)

日本共産党市議としての活動日誌をメインに、日々の思い、家族のこと、研究活動などをご紹介します。


by 谷岡 隆