19日、一般会計予算特別委員会で議案1件(補正予算案)を審査しました。新たな国民負担増につながる「子ども・子育て支援金制度」に関連する支出が含まれていたので、私は補正予算案に反対討論をしました。
委員会終了後、同じマンションの退職者の方々とのランチ会に合流。その後、再び市役所に戻り、党議員団会議や都市環境部からの聞き取りなどでした。その後、習志野市公害防止条例・環境保全条例の勉強をしました。
24日開催の習志野市環境審議会で「習志野市環境保全条例の一部改正」が諮問される予定です。この条例は、制定当初は「公害防止条例」という名称でしたが、名称と目的から「公害防止」をはずすという改悪を経て現在に至っています。
宮本泰介市長が今回提案している「習志野市環境保全条例の一部改正」は、特定建設作業(くい打ち、解体作業など)における騒音と振動について、市独自の上乗せ規制をやめようとする内容のようです。そうであれば、名称・目的だけでなく、内容まで改悪するものとなります。
そもそも、習志野市が全国で2番目に、千葉県では初めて制定した「公害防止条例」は、住環境を守るために、国よりも厳しい規制基準(上乗せ規制)を定めることが目的の一つでした。当時の吉野孝市長が「昭和45年に公害防止条例とともに文教住宅都市憲章を制定した」と市議会で述べているように、公害防止条例は文教住宅都市憲章とセットとなるものでした。
今回の「習志野市環境保全条例の一部改正」の動きを受け、習志野市公害防止条例の歴史を振り返ってみることにしました。
1976年(昭和51年)3月に策定された「習志野市公害防止計画」の「序文(習志野市公害防止計画の策定にあたって)」には、次のように書かれています。
市民生活をむしばんでいる汚染物質は、今日ではきわめて多種多様である。新たに開発され安全性を考慮することなく大量生産された物質が広汎な環境汚染の原因となり、再登場するといったケースは跡をたたない。それと同時に、生産活動や都市生活によって生み出される汚染物質の量も急速に増えており、いま対策を講じなければ、人類は都市という生活空間を放棄せざるを得ないところまで追いつめられるであろう。
とくに、憲法第92条「地方自治の本旨」に基づいて、地域住民のくらしに直結している地方公共団体は住民の健康を保護し、その生活環境汚染から住民を守る一義的な任務を信託されている。この見地から、地方公共団体が当該地域の環境汚染の実態を科学的に把握し、環境保全と住民生活の安全を目ざす具体的な計画を作成することは、きわめて重要、かつ基礎的行政課題といえよう。
以上の観点から、本市では文教住宅都市として市のまちづくりの方向を示した「習志野市文教住宅都市憲章」が昭和45年に制定されたが、その中には、憲章の第2条第2号に「生活環境の改善の推進」さらに第2条第4号「市民の生命、身体、財産の安全を阻害する条件を排除すること。」などが盛り込まれている。また第10条には「この憲章を施行するために必要な事項は条例および規則で別に定める。」と規定されている。この第10条の主旨を成文化したものの1つが昭和45年10月に施行された公害防止条例であり、この公害防止条例はあらゆる公害から文教住宅都市としての生活環境の保全をはかり、市民の生活を守り、市民の福祉の増進に寄与することを目的としている。
このように、日本国憲法、習志野市文教住宅都市憲章、習志野市公害防止条例の関係を説明しています。
続く、1980年(昭和55年)4月に策定された「習志野市公害防止計画 中期計画」の「序」には、習志野市の公害行政の経過が次のように書かれています。
習志野市は、昭和42年に公害課を設置し、行政の中で公害問題を本格的に取り組み始めたが、当時はとりたてて公害と称する大きな問題を抱えていたわけでなく、あくまでも公害の発生を未然に防止し、環境を良好に保全することを主たる施策として公害行政を推進してきた。
しかし、昭和44年ごろから、我が国の経済成長は本市の都市構造をも一変しそうな勢いを示し始め、特に首都圏内に位置する本市域はベットタウンとしての様相を呈し、住宅の乱立によるスプロール化を生じてきた。
この傾向は、工場と民家を接近させ、いわゆる住工混在地域を生み、騒音、振動等の局地的公害を多発させる現象を示す結果となった。このような中での公害規制は、これまでの行政指導の範中におさまりきれなくなったこと、また法令は、地域の特性に合せたきめの細い規制を困難にしているところから、市独自の公害防止条例を制定せざるをえない状況になった。
昭和45年に制定したこの公害防止条例は、これまでの国、県が行ってきた環境行政に対する真摯な反省と、将来への厳粛な誓いとが全市民的な力強い活力となって整備されるに至ったものであり、当時としてはユニークな公害行政の一環として注目を浴び、市民の共感を受けた。また当時各自治体が独自の公害防止条例を制定しようとしていた時期でもあったことから、各自治体に大きな影響を与えた。
このように、公害防止条例の制定が習志野市の行政を特徴づける画期的な施策であったことを説明しています。
条例制定後の55年間で、習志野市の独自規制が市民から問題視されたことはありません。それどころか、無理な大規模マンション建設、解体工事などが問題となった際、住民が業者とたたかう武器として機能してきました。
そのような独自規制(上乗せ規制)を、今になって引き下げるという宮本泰介市長の考え方は理解できません。
公害防止条例から「公害防止」を削除して環境保全条例に改悪したのも問題でしたが、今回の様に規制基準まで引き下げるのはさらに問題です。条例改悪の動きについて、今後さらに調査研究を進め、公害防止条例制定の理念を守るように強く要求していきます。
最後に、2004年(平成16年)9月30日の習志野市議会における私(谷岡)の討論を参考にご紹介します。
議案第45号「習志野市公害防止条例の一部を改正する条例の制定」について、反対討論を行います。
日本の公害問題の経験は、公害被害者を初めとする広範な国民の公害反対の運動こそが、環境破壊を食いとめる力であったことを示しています。公害裁判で被害者が勝利したことと、全国に広がった革新自治体が国に先駆けて公害規制を強化したことが、国の公害対策を前進させる上で大きな力となりました。日本の公害対策技術が外国に比べて進んだといわれるのも、こうした運動の高まりと、公害規制の強化によって企業が技術開発の努力を余儀なくされた結果です。
習志野市は1970年、文教住宅都市憲章を制定すると同時に、千葉県で初めて公害防止条例を制定しました。以来30年以上にわたり公害企業は認めないことをまちづくりの基本方針とし、実践してきました。この点で習志野市の公害防止への取り組みは市民の誇りであり、宝であります。
財界は「公害は終わった」とか「産業公害から生活公害へ」などと主張し、みずからの責任を回避するだけでなく、その責任を国民一般に転嫁しようとしています。しかし、地球的規模の環境破壊はいずれもその主要な原因は、利益のためには環境を顧みない大企業、多国籍企業の事業活動にあります。企業が引き起こす公害への対策は過去のものではなく、今なお環境保全の大前提として重要なことです。
「平成15年度版 千葉県環境白書」では、習志野市公害防止条例は、公害規制に関する基本事項を定めた公害制定状況の75市町村の一つとして掲載されています。ここに掲載されている県内市町村を見ると、公害防止条例を環境保全条例あるいは環境条例に名称変更したのは25市町村、全体の3分の1です。これら25市町村の条例や千葉県条例では、地球環境保全への市民や自治体の役割などを追加する中で、従来の公害防止を包含する形で環境保全条例へと発展的に改正されました。
ところが本市の条例案の場合、従来どおり主に事業者の責任を問い、企業が引き起こす公害を防止するための規制措置を講ずる内容であるにもかかわらず、条例名と目的から「公害防止」の概念が削除されています。既に条例改正された25市町村や千葉県を見ると、条例名は変えても、公害防止のための規制を行うことを目的から削除した例は1件だけです。ほとんどすべての自治体で公害防止が条例の目的として位置づけられ、明記されています。
習志野市は公害企業を誘致しないことをまちづくりの基本方針に掲げてきました。その習志野市が本条例の目的から「公害防止」を削除する必要はなく、削除することについて説得力ある説明はありません。
一方で、他の自治体で環境保全条例制定時に追加された地球温暖化やオゾン層破壊を防止する施策、省エネルギー対策の推進、低公害車の購入の促進、生活排水対策に係る施策など、進歩的内容は本市の条例改正案では追加されていません。従来の公害防止策に対して、汚染物質の規制基準を超えなくても、環境保護の上で問題があれば対応できるように枠組みを変えていくという観点がないと進歩したとは言えず、環境保全条例の名に値しないのではないでしょうか。
進歩的な内容は追加されず、公害防止だけは削除されるということでは、時代の要請、市民の意識変化にあわせた条例改正どころか、企業の公害に対する責任をぼかすだけとなり、事実上の後退となります。これでは環境保全に対する市の姿勢が問われます。
公害企業は認めないというまちづくりの基本方針は、習志野市民の生活環境を守る上で堅持すべきものであります。トリクロロエチレンによる土壌汚染が明らかとなる中、公害防止という観点を後退させることは認められません。
さて、今回の条例改正の柱の一つである揚水施設の規制については、地下水を事業用に使用する大口利用者に規制を加え、地下水を大切に使う点は評価します。しかし一方で、地下水は適度に使用することも必要であり、条例改正により規制対象となる市内9施設周辺における地盤沈下や地下水の水位調査が行われていなかったことは、規制を加えるに当たり不十分な点として指摘します。
以上をもちまして、反対討論を終わります。
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